哀しみに沈んだ心に、煌めくノクターンがしっとりと響く

美和さんの、祖母を亡くした哀しみや、それに耐えなければならないという思い、ノクターンを聴いたときの感動を味わえて、読んでいると感傷的になってゆきました。

祖母との別れと、少年との素敵な出逢い。雨上がりの風景や月などの情景描写と、ノクターンに心奪われ、それと同時に過去を思い出して秘めていた感情が溢れ出してゆく様子の、丁寧な心理描写。それらが次第にリンクしていく感じがして……うっとりするような読後感です。

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