地下に暮らす謎多き魔術師『クロウラー』たちについての講義

『クロウラー』という、地下に暮らす魔術師たち。変わっていて、地上の魔術師からは理解しがたい存在であるらしい彼らは、いったいどのような歴史を辿ってきたのか――を、講義形式で描いた作品。不思議な雰囲気のある作品で、筆致からもそれがあふれている気がします。それから、うまく言うことができないのですが……本来の講義の聞き手はあくまでその「世界」で生きている生徒たちなので、わたしたちが知るための世界観についての説明は大してされていない印象があるけれど、講義を聞くうち、徐々に、語り手や講義の聞き手である生徒たち、そしてクロウラー……彼らが生きる「世界」が少しずつ見えてくるんです。個人的に、それもたまらないポイントです。

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