そこは二人だけの特等席。

 恋愛小説を得意とする作者様によって紡がれる、一夏の思い出。
 毎年二人で見ていた花火と祭り。
 しかし今年は一人で見ることになってしまった。
 主人公である女性の胸には、寂しさだけが降り積もる。
 母があつらえてくれた浴衣で、二人だけの花火の特等席に向かう。
 そこは神社の裏手にある秘密の空間だった。
 花火を見上げる女性のもとに、現れたのは――。
 情景が浮かんでくる田舎の風景が懐かしくて、ノスタルジックな雰囲気に浸ってしまいました。花火の光景が目に浮かぶようで、咲いては散る夜空の花を、特等席で一人で見上げる女性に感情移入できます。

 是非、御一読ください。

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