第4話 私の師匠は深い沼の底

 私の師匠がオリジナル棒人間にこだわる理由。

「僕が帰る場所だからだよ」


 どうして、気障っぽく振る舞っているのか。

「だから言ったろ、設定だよ。僕にとって一番近い感情を表現するのには不可欠なんだ」


「私はまだ、ちょっとしかオリボウをしたことが無いけど、面白いですね、これ」

「当然だろ。いろいろなことに挑戦して年季が入るほどハマる沼みたいなもんだ」

 ぬま、か……。

「先生は「沼」のどのあたりですか?」

「底なしになっているあたりかな。チームに入って、交流に余念はないし、彼らの住む星が決まりつつある。これなしでは生きられない所だ」

 すごいことをいうものですね。

「それも、ご自身で望んだことですか?」

「成り行きだな。生きやすい場所がここにあった、ってだけだよ」

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