第3話 私の師匠は敬語ができない

「敬語、かなり下手ですよね……」

「ん、あー……たまに言われる」

 なんだそのあっさり反応。私に言われる筋合いはないだろうけど。

「尊敬語とか、謙譲語とか、日本語は昔から苦手だったな。今もいまいち理解できない」

 あなたの話している言語が日本語じゃなかったら何なんだほんと。

「でも、師匠の基本の言語って敬語のつもりじゃないのですか? かなり特殊ですよ」

「なんだ、慣れてきたら毒を吐くタイプなの? キミ」

 毒に毒を吐き返してから、まだしゃべろうとするところとかほんと面白いです。


「やっぱり、参考にさせていただいている神な作者様には、大地にへばりつく勢いで尊敬と感謝と服従を示さないとダメだろうよ。で、その神にお願いごとを聞いていただけるんだから、それこそ額を血に染めても畏敬と畏怖は払うべきだろ。だから、天井に頭をめり込ませて喜ぶんだよ」


「……正気で言っているあたり、とても尊敬します」

「さりげなくディスったな?」

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