第5話 私の師匠はオリスト書き

私の師匠はオリジナルストーリーを描いている。

「彼はなぜ、このグリニッジシティというところへ向かうのですか?」

「彼は、生まれにコンプレックスがある。これを解読して、成長につなげることがこの話の鍵なんだ」

深いなあ。でも……。

「グリニッジ標準っていうのと関係あります?」

鋭く息を飲むのが聞こえた。

「鋭いね。でも偶然。たまたま、授業で習ったところでネタをつくっちゃうんだよ」

「人物の初期設定とか、義務教育並みの単語が並んでいるんですが……。偶然ですかね?」


「……うん、ま、実をいうとね、授業中にオリストの内容考えちゃうんだよ」

「聞いたうえで、想像している、と」

「そう。授業内容も覚えているよ」

「……なるほどぉ……?」

脳みそすごいな。でもそうか。だからか。

「それで偏差値が高かったんですね。さすが先生です」

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