現代風のギャルっぽい語り口調で色々と語る織姫という字面で既にぶっ飛んでいますが、真に着目すべき点はその内容。
世間では神秘的だの遠距離恋愛だのと信じられていますが、織姫様の口から出てくるぶっちゃけ発言や爆弾発言にきっと誰もが驚きの余り目を点にする事でしょう。
でも、よくよく考えると七夕の物語自体が人間の一方的な想像で誕生したものであり、織姫様の言う事がある意味でも尤もなのかもしれないという不思議な納得感を得ました。
次回からは七夕に対する見方が変わるかもしれません……それが良い意味なのか悪い意味なのかは、これを読んだ方次第でございます(笑)
一年に一度の、恋する二人のロマンチックな逢瀬。七夕は、そんなしっとりとした艶やかさの漂う素敵なイベント。
でも、ここにいる織姫様は、とっても現代的でキュートな一人の恋する女子なのです。確かに、天文学的なスパンで考えれば、一年間って…う〜ん、確かに!思わず唸らされる楽しい発想が展開されます。
そんなスマートな理論を展開しておきながら、それでもなお織姫様の恋心は熱を失うことなく…読み終わった後、思わず「ごちそうさま!」と呟きたくなる微笑ましさ。やっぱり七夕って素敵!そう思わずにいられません。
七夕の夜にふさわしい、甘い幸せたっぷりな物語です。
七夕を前に、どこかの勇気ある(おそらく)女子が、織姫さまにインタビューした記事である。
昨今の世情に合わせた織姫スタイルだが、印象としてはアラサー。
キャピキャピした恋ではない。
アラサー女子は作者の得意コース。
七夕の願いを胸に、正座して読むように。
あらすじの注意書きには、このようにある。
※「彼女」の名誉のために申し上げますが、この物語はフィクションです。
これは、「友達の友達のことなんだけどね」とか、「アタシじゃないんだけどさあ」で始まるアレではないだろうか。
まさかとは思うが、作者がデレた……という可能性も捨てきれないのではないだろうか。
さあ、そういった気持ちで、もう一度読んでみよう。
作者がデレた……あの作者が?
ほら、ニヤけてますよ!
というように、二度美味しい作品である。