【BL】指切りげんまん

「ゾフルーザってなんか強そうだよね。ドラゴンボールの敵みたいじゃん」

「ほんとうだな」

 掠れた声で告げられる言葉に、思わず苦笑いを漏らす。

 冗談を言う元気があるのはまだいいことなのだろう。手渡された体温計は、いまだ三八度を告げる。

「ゆっくり休んでちゃんと治そうな」

「……ごめんね」

「謝んなくていいから」

 らしくもないしおらしい声を前に、汗ばんだ額をそっと撫でてやる。

「治ったらいっぱい遊んでやるから、な」

「約束?」

「嘘ついてどうすんだよ」

 強気に笑いかけながら、いつもよりも火照った小指へと指をそっと絡める。


 指切りげんまん、はやく元気になあれ。

(ゾフルーザ様、ご活躍期待しております)




第50回 #Twitter300字ss お題「薬」

「ほどけない体温」(https://kakuyomu.jp/works/1177354054884162195)周と忍

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ほぼ300字SS保管庫 高梨來 @raixxx_3am

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