第7話 天使の最後

〝あぁ、やっと始まるのだ。本当の道が〟



〝何も変えることのできなかった戦争を、本当の意味で変えることの出来る道が〟



〝誰であろうと私の邪魔はさせない、この世には唯一神など要らない〟



〝要るのは、神の教え拝礼ではない。この世界の終焉と浄化だ〟




「さぁ、私と一緒に来るものよ来るがよい」


そう言い放つ


彼は孤独では無かった、大義の為と心の奥底にある神への恨みだけが、そこにあったのだ




「我が大義、今をもって全てが決せよう。

この天界での反乱にどの様に動こうぞ、神よ!」




「私もあなた共に行きましょう」


そう発したのはアザゼルであった。



「私の仲間は現在200人は居ます、ご自由に申しつけください」



一瞬だが、考えたルシフェルだったがすぐに切り返す



「この事態に1番に躊躇なく私に近付いたと言うことは、他に目的があるのであろう。私の目を一瞬でも撹乱するとは大したものだ。

もう理由は問うまい、如何様であれ今はこの天界を消滅、又は浄化再生させなければならない。」



「ありがとうございます。この後は如何しましょう。」




「フェリペの崖祭壇に場所は用意してある、皆に伝え、そこに集え。同志は必ず助けるのだ、神は必ず彼らを差し向ける。

そうしたら上位天使でも単体では打破できない。」




「では、数で切り抜けると?」




「それも良かろう、しかしもっと有効な方法がある。」


ルシフェルは浮かない顔を初めて浮かべた



「神器を使いなさい」



そう言い放つ。

一方アザゼルは額に一瞬で汗をかく動揺ぶりであった。



「臆するでない、我が意思に賛同するものが下界にも要るのだ。」



「それは人間界でしょうか?」




ルシフェルは天を見上げ赤色に染まる、今にも届きそうな雲を見ながら言い放つ




「その下だ」



「悪魔ですか。私は自らの意思で堕天へ下ります。しかし悪魔になると考えてはいません。もちろんですが私の同志たちの中にはそちらの方にそれる者もいますが、私は出来るのであれば人間界に留まりたいのです」



彼は人間と恋に落ちた



監視のために幾度となく人間界へ行き遂には天使である事まで明かし、契りをかわすまで



「アザゼル、お前の様な者がまだ天界に居たとはな。まあ良い、名はそのままで良かろう。

しかし、私は今をもってルシフェルの名を捨てルシファーと名乗ろう」




「さぁ、皆の者。

我が名はルシファー、怠惰な神に正義の鉄槌を、刃を、そして永遠の痛みを与えるのだ」



「立ち上がれ我が同志よ、神器を持って今この場で宣戦する。」




〝神よ、あなたに変わり、世界を作り直す為…私は鬼になりましょう〟

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堕天使と天使、そして悪魔へ 山ノ下 真吾 @robinet

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