第6話 ルシフェルの終わり
「私達は神の御言を聞き入れ、それに添い天使軍の意志統一が必要である」
力強く、曇り一つない青い瞳が天使たちに語りかける。
一方その横で瞳を閉じ、誰よりも大きく美しい翼を持つ天上位階一位ルシファーが静かに演説を傍聴する。
「神こそが世界に平和をもたらし、安寧な暮らしを実現させていただける事は間違いない、
その為にはこの天界全てのものが団結し、悪の軍団に立ち向かわなければならないのだ!
かつてこの世は一つであった、あの忌まわしき対戦でこの世が二分し、そして今では三つの独立した世界になってしまった…
神はまた一つの世にする為力を蓄えられておられる、
そして今この状況の中で悪魔の軍団が動きを活発にさせている。
今こそ光明天団が立ち上がり、悪の手を神から守るのが急務である!」
アブディエルは最後に瞼を開け、熱い眼光で皆を見つめそして静まらせた…
そして静かに席に戻ると、また普段と変わりなく目を瞑る。
しかしその演説が次のルシファーの言葉で掻き消されるとは誰もが予想をしていなかった。
いや、1人の天使以外は既に決まっていたのだった。
終わりの始まりが…
「続きまして、上位以外一位ルシフェル様です」
席を立ち、演説台に向かい歩き出す。
静かにそしてその熱い想いを胸に抱いて。
一歩一歩が天使たちを釘付けにする、神にも届きうるその才能と美しさ。
そんな者に見惚れない方がおかしいだろう、しかし彼から発せられた言葉を聞き天使たちは激しく動揺したのだった。
「神に支えし天使たちよ、今こそ立ち上がる時である」
誰もが聞き入ろうと最初の言葉を言い放った次の瞬間事件が起きた。
「私はこの統制も神の言葉も何もかも否定する」
この瞬間天界は動き出した、内乱と言う形へ
「戦争での傷は決して癒えていない、ましてや統一することなどもはや不可能。今必要なのは貿易と違いの距離感、そして人間界への信仰である。
悪魔は人間界の下に存在する、人間界を盾にしながらこちらの動きを監視している。すでに悪魔に落ちた人間も居るはずだ。
私達はそのような事がないよう人へ正しい生き方を信仰しなければならない。その為には今の三世界統一などうつつを抜かしてる暇などない、今が大切なのだ。」
会場がどよめきすらない
青天の霹靂
誰もが立ち竦む
「さあ、我が道に賛同する者は力を与えよう。」
「っはっ!」
ルシファーは力を込めた言葉を放ち右手を上にかざすと光のエネルギー体が光り出す。
「ライトシャインズ…」
そう言い放つと下界へ閃光が降り注いだ。
そして言い放つ
「神よ、あなたの代わりに私が導こう」
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