青春は、雨とともにやってくる

文化祭に出ることをせず、ただ呆然と自転車を漕ぐ主人公。
彼の感情や、風景が、淡い思春期の思い出を蘇らせる。
そこで、雨が降り始める。
この降り始める前に書かれている、遠雷を怒号だと表しているのが、素敵だと思いました。

もうね、素敵すぎます。
雨宿りしている主人公の元にやってくる『透けたブラウス』のヒロインも。
主人公の反抗心も、新海誠作品の『言の葉の庭』を思い出します。
雨、空、グループ会話、車、いつの間にいなくなった猫、そして透明人間。

夏に読みたくなる作品、間違いないです。
こんな青春味わいたかったなぁ……。

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