2018年6月段階で四十万字以上あって、あまりに膨大であるがゆえにページ開くのを敬遠してしまう……のは先入観。
実際読んでみると冒頭の師匠との仕合から丁寧に描写してあるし、レベルの高さとワクワク感が同居していました。
魅力ある小説って、ただ文が巧いだけでは人気にならなくて、プラス場面の抜きかたとか、文字でありながら目の前で踊っているように見える躍動感があってこそだと思うのです。
この小説はまさにそんな感じ。文字に疾走感と緊張感があって、「動いている」ように感じました。
だからまだ数十万字もこの物語を楽しめるのかと思うと、嬉しくなってきてしまいました。
バトルシーンは特に圧巻。こんな風に文章で魅せられるなんて、作者さまを尊敬します。
同じ種同士で共食いをする生物は数あれど、殺意を持って殺し合う生物は、この世に二つとないだろう。
遺伝子に組み込まれた闘争本能。新たな戦いを生み続け、さらなる殺戮の手段を獲得し、戦いは激化と進化を遂げる。
進化せよ、覚醒せよ、激化する殺戮よりもずっと。
「あんたの憂いは俺が晴らすよ。俺が、この国の剣になる」
――亡国のプリンツェッサ――
強く。早く。
青年よ、英雄を超えろ。
* * *
と、ちょっと粋った感じで紹介してみました。
まだまだ多くの話を残した段階でレビュー致しましたのは、自分の期待値の現れだと考えて頂きたく思います。
これからもさらなる繁栄を願い、応援しております。