彼女は本当に行ってしまった

彼女が本当に宇宙に行ってしまうのかしまわないのか。
あるいは宇宙ではないどこかへ行ってしまうのかしまわないのか。

ものすごくあやふやであやうい彼女と、あやふやであやうい距離感の関係を続けていく。
一方であやふやでない普通の私生活がそれはそれで存在するんだけれど、あやうくないかというと嘘になる。

それらがぶつかってしまったりもして、それはあまり幸せではないことになるんだけれど、彼女との距離感はあまり変わらない。

だって彼女は、宇宙か宇宙でないどこかへ行ってしまうかもしれないひとだから。

淡々として語り口が、無情な関係にぴったりとマッチしていました。
染み入りました。

気になった点があるとすれば、読み終わった後、15cmって出てきたっけ?と思ってしまったこと。