「僕の考えた最強の新しいセックス」というのは、SFのモチーフとしてはわりと面白いものでして、たとえばグレッグ・イーガンの「祈りの海」なんかは僕にはそういう風に読めてしまうわけですな。
このモチーフを扱うと、必然的にセクシャリティとかジェンダー論的な見方が厳しくなるのですが、本作、実に的確にポイントを突いています。過不足ない。すばらしいです。
脇の甘さがない。
これは実はすごいことで、思いつきとか興味半分では書けないので、まさに作者の力量ということになりましょう。
気になるとすれば、カウンセラーが、パワーバランス的にやや万能すぎるのではないかという点ですが、そこも構成の腕でぼやけさせることに成功していると思います。