あの頃 中編 2
「…。さて、今回のテスト、何が原因だと思う?」
「…。分かりません。」
「勉強した?
ってか、してたよね?
俺、出勤する度にお前が自習してた所みたし。」
その言葉に少しだけ、ほんの少しだけ涙が出そうだった。
ちゃんと、頑張ってたって分かってくれたんだなって。みててくれたんだなって。でも、だからこそ。今回の結果は悔しすぎる…。そう思うと余計に泣きそうになった。
「はい。勉強した、つまりだった…のですが。」
そういったら、先生、ちょっと考えた表情をした。
「じゃあ、多分、勉強の仕方が悪かったんだな。」
そうかもしれない。あれだけやったのに出来なかったのはやり方が間違っていたからかもしれない。あぁ、なんで、このやり方でいいかって疑わなかったんだろう?
「勉強は時間の量だけじゃないんだよ。効率も大事。やみくもにやればいいってもんじゃない。」
そう言って、なにやらグラフや表などを使って、わたしにこれからの勉強の仕方、復習や予習の仕方を細かく丁寧に教えてくれた。
「次こそ、挽回しろよ!
俺がいる時ならいつでも質問していいからな!」
先生がそういって、面談は終わった。
あー。面談やってもらってよかったな。てっきり怒られるだけかと思ってたけど、確かにちょっと怒られたけど、アドバイスもくれたし、なんか元気出た。何より結果は出せなかったけど、頑張ってるって認めてもらうのって、なんだか嬉しい。それに、モチベーションも上がった気がする。
明日からいや今日から
また頑張るぞ!!
ありがとう、先生。
あなたの為に勉強してます 上田歩実 @homy
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます