あの頃 中編
入塾して、まもなく1ヶ月が立つ頃。
私に試練がやってきた。いや、試験がやってきた。いわゆる中間考査だ。
私と先生はある目標を決めていた。
今回のテストは平均点にのろう!
と、いうことだ。ついでに、比べてもしょうがないけど、男の子の方はそれが前提だ。
「わからないところがあったら、授業外でもいつでも聞きに来いよ」と先生に言われていたから、私はいつも自習室に通っていた。
…。本当は少し違う。違うというか、もう一つ理由がある。
でも、不純な理由だから今は言わない。
とにかく、私は私なりに全力で、毎日自習室に行って勉強した。
…つもりだった。
なんでだろう?なんで前と点数が一緒なんだろう。勉強したはずなのに…!
…ん?はず、なのに⁇あれ、これじゃあ中間と同じ思いしてるじゃん!
ほら、ワークなら何回も解いたのにっていうことと一緒だよ!
…。どうしたら、いいの?
とりあえず、親に見せた。
怒られると思った⁇
実は、私は確かに英語は悪かった。
でもあとの教科は全て平均点を超えていました。こんなこと初めてだったから両親は、
よくやったじゃん!この調子で頑張れよ!英語にはもうちょっと力入れろよ。
と言われただけだった。
でもさぁ、怒られなかったラッキーとは思えないんだよね。いつもは思うけど。今回は本当に頑張ったと思うし、実際他の教科は伸びたし。
なんだか、悲しいという気持ちのまま、その日は終わった。
次の日。塾の授業の日だった。
先生が、まぁ当然のことながら、
「さーて、テスト返ってきたんだろ。ほら見せろ見せろ〜」
と言う。あぁ、先生ごめんなさい、と思いつつ、せめて裏返しにしてテストを渡す。
「ん〜?ん?え…。……。えぇ〜〜ッ!」
という、反応だった。まぁそりゃそうか…と思っていると、
「さぁーいとぉーう‼︎これじゃあ、俺が怒られるよ…。」
と言われてしまった。うちの塾は基本的には、校長が全教科成績管理をしている。だから、私は他の教科が伸びたから怒られるのは少しで済むのだろうけど…。そっか、先生は、怒られちゃうのか。
「すいません。」
「…じゃ、とりあえずやりなおそっか。」
それから、その日の授業は、ほぼ私のテスト直しに費やされた。男の子には申し訳なかったけど、ヤバいのは私の方だったから仕方がない。
そして、授業が終わった後、
「じゃ、斎藤は今から面談な」
と、帰ろうとしていた私を引き留めた。
「えぇ…。はい…。」
ここで
ひとつ言わなければいけないことがある。私はこの時、面談嫌だなぁと、確かに思ったのだけれど、でもこれからどうやって勉強するかを相談して、今の状態を変えれたらなぁとも思った。
そして、
これまた、不純な理由だったから言わないけど、もう一つ思うことがあった。
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