第2話 寄生

 シーン3 寄生


「ニヤリ」

不敵な笑みを浮かべて?綿毛は女子に話しかける。

どこから発せられているか定かではないが、

その声は確かに少年のものであった。


綿毛「ひどいことすんな‥。人を見かけだけで決めつけやがって。」

女子「ヒッ!?」

綿毛「今さら何驚いてんの? コイツやばいってんで蹴ったんだろっ?」

  「‥もう手遅れだけどな! 刺してやったさ俺の毒毛を!!」

…凍り付いたように立ち尽くす女子。

綿毛は、蹴られた瞬間に女子の足に毒毛を刺し、毒を注入したこと、そして自分が定期的に解毒毛を刺さなければ、女子は毒死することを脅したっぷりに言い聞かせるのだった。

綿毛「靴の上から刺し貫いてるんだからさ、地面にこすったって無駄さぁ…へっ」

   上目遣いに?ドスを効かせた声でダメ押しして、

 女子が絶望に跪いたさまを見て、屈服させこの場の勝利を確信した。

女子「‥たす…けて…」涙をため唇を小さく震わす。

綿毛「ごめんな‥実は俺も助けて欲しいんだよ!」


今度は静かに真剣な声音で綿毛は訴える。

…ルックス、身体能力、才能、コミュ力…この世界の人間のスペックは生まれ持った因子と後天的なトレーニングによって決まっているが、我々が思っているほど確かなものではない。

それは簡単に盛ることができる。あるリソース…仮装因子さえあれば。


女子「????????」

綿毛「‥俺は全部持ってかれてんの、もともとあった因子を。」

  「なぜかは分からない、記憶にない。」

  「覚えてんのは、さっき説明した内容と自分がこの学校の生徒で「ガミ」って呼ばれてたこと。」

女子「‥ガミ?‥何年生だろ?」

綿毛「そんで、この学校に仮装因子を実装してるヤツ、つまりスペックを盛ってる奴らがいて、」

「そいつらから仮装因子を奪えば俺が人間としてのスペックを取り戻せるってこと!!」


綿毛「無理やりなのはゴメン!でも助けてくれっ!!」

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仮装戦記 ガミ @59635963

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