筆者の特徴/レビューの長さ
この差異はどのような理由で生じるのでしょう。もちろん、単にユーザの傾向が異なるという理由も考えられましょう。それに加えてここでは、レビュー分析の観点からいくつかの可能性を提示したいと思います。
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まず、レビュアーが作者か読み専かの比較です。『小説家になろう』では一日に複数のレビューを書いているレビュアーはおりませんでした。
表1:作者か読み専かの比較
…………小説家になろう…カクヨム<再掲>
__作者…………24…………………71
読み専…………16…………………21
____計…………40…………………92
サイト全体からして読み専の多い『小説家になろう』の特徴からすれば当然、むしろ少ないくらいかもしれませんが、読み専の割合は相対的に高いです。また、その日のレビューが初レビューであるレビュアーは17人で、母数で上回るカクヨムの15人より多いという結果になっています。
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次にレビュー本文の長さを見ます。『小説家になろう』のレビューは200文字から400文字の制限がありますが、文字カウント方式の違いから100文字台が存在しています。
表2:レビュー本文の長さの比較
…………………小説家になろう…カクヨム<再掲>
_____**0文字…………**0……………**7
**1~*50文字…………**0……………*23
*51~100文字…………**0……………*26
101~150文字…………**0……………*28
151~200文字…………*15……………*13
201~500文字…………*25……………*28
___501~文字…………**0……………**1
__________計…………*40……………126
上記の制限からほとんど無意味な表ですが、100文字台の数が200文字制限ギリギリの投稿が多さを物語っています。実際、この制限を満たすのは特にレビュアーにとって負担のようで、句点を連続させて文字数を稼いでいる投稿も見られました。
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簡単な分析ですが、以下のことが言えましょう。
第一に、作者と読者の壁の破壊がカクヨムの方が進んでおり、複数レビューを行うような活発なレビュー活動もカクヨムでは盛んです。推測の域を出ませんが、作者ページに書いたレビューが大きく表示されるというようなインターフェイスが、レビューを書くことに対してインセンティブを付与しているのかもしれません。
第二に、カクヨムにおける短文レビューの多さです。文字数制限がレビュアーのレビューに対する抵抗を弱め、特に短編に対するレビューが積極的になされる素地を生み出していると考えられます。
以上、他サイトのレビューと比較することで、カクヨムのレビューの発掘機能の高さを浮き彫りにし、レビュアーが評価されるインターフェイスや短文レビューが投稿可能である点が影響していることを示唆しました。
ある日の新着レビュー 川内重信 @east_hot_springs
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