最初に断っておくが、レビュータイトルは微妙に外している。単に私の表現力が稚拙なだけです。
さて、約40年前の話だが、「クラッシャージョー」や「ダーティーペアー」を執筆した高千穂遙先生が"スペースオペラ"なるジャンルを打ち立てた。歌劇との関係は今以て理解できないが、本作品は懐かしき"スペースオペラ"である。
前述2作の内、「クラッシャージョー」に雰囲気が似ている。
残念な事に未完。
1年弱も筆が進んでおらず、「早く続きを書けよ!(叱咤激励の意)」と、会ったこともない作者を怒突いてやりたくなる。
こんな気持ちを抱いた作品は、ふたぎおっと氏の「戦犯の孫」、八島清聡氏の「鶯舌記」以来だ。どちらも文句無しの逸品である。
本作品の救いは、多少はオムニバス形式の構成なので、前2作品に比べてモヤモヤ感は小さい。でも、十分にモヤモヤする。
登場人物達のキャラ設定が良い。世を舐めた様な斜に構えた姿勢ながら、真っ直ぐに直球を投げるセリフが読者の気分を爽快にさせるだろう。
ストーリー展開は…"スペースオペラ"の典型例。あなたも絶対に楽しめる。
クドイが、唯一絶対の難点は未完である点。でも、星3つ付けてしまった。
筆者さんの「鉄錆びの女王機兵」を読ませていただいて
大変面白かったので、こちらも拝読しました。
未来の宇宙空間を舞台に荒くれた運び屋たちが弱者を助け、時には政府や宇宙海賊を向こうに回して冒険を繰り広げるエンターテインメント作品です。
主人公たちは自分の美学と矜持を通すためなら、どんな相手でも引かずに敢然と戦いを挑みます。
かといって荒事だけではなく海千山千の政府の権力者相手に知性と度胸を武器に交渉をもこなします。
文体も読みやすく展開にもメリハリがあり、商業作品と比べても遜色がないと思います。
何より敵である海賊や政府の高官、脇役の依頼人などもそれぞれの考え方や人格が描写されていて
薄っぺらいキャラクターではなく、それぞれの人生観を感じさせていて
物語に深みを与えています。
こういう作品こそランキング上位で評価されてほしいものです。