日記の形を取りながらも、一つの素敵なラブストーリーとして繋がっていく作品です。
日記の書き手、蒼依が出会ったのは、同じ場所でいつもカメラを手に持っている空良先輩。
でも彼はカメラのシャッターを切るのでもなく、電源すら入れることもなく、ただただ同じ場所にカメラを持って立っているのです。
彼の友人である先輩に頼まれ、空良先輩に写真を撮らせようとする蒼依ですが、空良先輩の事情に触れるうちに様々な感情に揺さぶられるようになり──
彼女の心の揺れ、空良先輩の微妙な変化が、日記を通して鮮明に伝わってきます。
どんよりと「そら」を覆う重い雲から晴れ間が差すのを願わずにはいられなくなる、そんな物語です。