謎解きはパズルのように――

 女性が連続して自殺する事案が多くなっている。その奇怪な事案の裏で糸を引いている存在は、実は過去の事件とかかわりがあるようで――という、パズル作家の主人公と、過去の事件の被害者の子供である三兄妹が主軸とする物語です。
 犯人捜し物としてもとても秀逸で、出てくる人物がとにかく怪しい。怪しくない人物なんか一人もいませんでした。彼らが紡いでいく言葉なんか何一つ信用できない。
 それもそのはず。
 登場人物は少なからず秘密を抱いているからです。
 文体も非常に読みやすく、更には目くるめく中盤の展開にはページをめくる手を止められませんでした。
 そして何より驚いたのが、主軸となる事件が終わった後が非常に長いことです。あとは後日談かなあ、くらいで読むと、そこには更なる秘密が眠っていました。
 是非ともミステリー好きには読んでほしい作品です。
 面白かったです!