第17話 12/06

12/06


朝食に、寝過ごしそうになる


作業療法で、革細工。いい感じだ。

レザーはやっぱりいい。タンニンなめしのいい匂いがする。

レザーウェアを着ていたことを思い出す。


Tさんは昨日からシセツで職場体験だそうだ。

刺し身職人さんは前にも他の病院にいたとのこと。

顔色は少し黒ずんでるから肝臓が悪いのかもしらん。


院長先生と面会。

淡々としていた、元気か、どうだ、とか、

会社はどうする、とか、仕事の話をしてきた。

拒否感、仕事がまだ出来るかどうかわからない。

そもそもどうやってお金を稼ぐか、そんな意識も無い。


こうやって病棟にいると、分からない、

現実が何か、社会が何か、お金が何か。

病院ではお金が必要ではない、ジュースやタバコくらいは買えるが、

小遣いは月換算で5000円もあれば事足りる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る