精神病院に入院していました。
なす
第1話 序
本来なら初日より書くべき日記であったが、5日目の今日から書くことにする。
自分の遁走発作により、迷惑をかけ、入院に至る。
入った病院はF病院、調べればすぐ出てくるだろう。
携帯電話の使用の許可、喫煙の許可は出ているので、比較的自由な生活ができている。
防音壁といえばいいのかわからないが、重い扉と厚い壁のお陰でプライバシーは守られている。
しかしながらベッドの上に設置されている監視カメラは24H動き続け、詰所の誰かが監視している。
どうやら、音声もチェックできるようだ。
基本的に起床は6時と早めで、就寝は9:30頃といいペースで守れている。
ベッドはパラマウントのもので、不満はない、狭く感じる程度で、自分の家のより良くできているかもしれない。
温度はエアコンで一定に保たれている。初日、翌日は熱かったように感じたが、クレームがあったのか、設定温度は下げられたようだ。
窓のようなものは普通のサイズのものがあるのだが、プラ製でかなり頑丈に思える、実際軟度のある物質の方が破壊されにくいと聞いたことがある。納得である。
これには鍵はなく、目張りがされており開けることはできない。外にはスダレがありよく見えない、なんとなく公園とレストラン、交番が近くにあるのがわかる。懐かしの仕事で行っていた学校のタワーも見える。
西日が強いため晴れの日はカーテンをしている。
電気はかなりの照度があり、正直言って眩しい。太陽光が鬱に与える効果の為か?
電気を切るとちょうど良い。
食事は正直なところ、初日はがっかりだった、何を食べたかは忘れたが、味は薄く、質素なものだ。
しかしながら、日数を経る内に、味は濃く、美味しいと感じるようになった。ソースカツ丼が出た日は歓喜した。
学校給食は基本的にメニュー公開だが、こちらにはなく、毎日何が出るか楽しみでもある。
楽しみや、刺激のないここにとって一番の楽しみであると思われる。
トイレは部屋に直接ついており、上下の隙間がある扉で隔たれている。ドアの取っ手は開ける側にしかない。理由はわからないが、なんらかの自殺防止であろう。
私物についてはコードや紐のものは持込めない、理由は推して知るべし。
続く
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