絶望に足掻く者達の叫び一つ一つが、読んだ者の心を決して離さない。

 死ぬことに執着していた主人公が晴れて死亡できたのも束の間、「世界を救うまで死ねない」ようにされてしまった彼は、非道な仕打ちを受け続けた幼少期を越え、世界救済へと動き出す。
 主人公はもちろんのこと、仕打ちをしてきた奴らも狂ってるし、これから会う者・事も狂っていて、黒幕さえも狂っ(てるというか生理欲求だけを満たし)てる。

 ……まあ、世界■■■■■■■■ますからね(自主規制)――そんな中で、狂って、生にしがみつくことが間違いなのか? と思わせてしまう世界観ではありました。

 主人公が動き出してからはほんの数日しか経っていないはずなのに、ひどく時間がかかっているように感じてしまう。これは、丁寧で破壊力抜群の戦闘描写だからこそ。気が気でない感覚にさせるそれは読者を掴んで離さないのは間違いない。

 ただし、読破する方に忠告。
 これは「青年向け」であることを声を大にして宣言します!