第5話
サリアが消えてから数年。僕は見た目を変えた。清潔に見えるように髪を切り揃え眉毛や髭も整えた。社会に出て仕事をするうちに僕は告白された。こんな人間に惚れるなんてバカな女がいたものだと思った。
一生の出合い。僕は彼女と結婚を前提に付き合い始めた。
「青柳君!奥さんの陣痛が始まった!急いで行きなさい」
「はい、失礼します!」
「ほら……見て、男の子と女の子の双子よ」
「よかった、よく、頑張ってくれた……ありがとう。みんな生きててくれてありがとう」
サリアには申し訳ないけど君以上に大事な存在が見つかったよ。双子と共にいる妖精は輝いていた。
「二人の洋服は僕が作るよ」
「ふふ、世界に一つの洋服ね」
サリアありがとう。そしてよろしくね、小さな妖精達。
妖精の卵 長島東子田川 @toukonagasima
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