ありきたりの異世界転移世界ものかと思いきや転移したのが貝?
転移物に飽きた私に読ませるとは…作者…やるじゃねぇか…。
恐らく主人公が転移したのは2枚貝。蜆とか蛤ではなくて平べったいホタテの様な貝と睨んだ。
読んでいるとパカパカと泳ぐホタテの姿や、アサリがいっぱい入ったのパスタのCMが思い浮かんで仕方が無い。しかもただの転生に有らず、主人公の貝としての成長から目が離せない。
途中までしか読めていないけれど無性にハマグリとかホタテを炭火で焼いて食べたくなります。
主人公は無事に成貝になれるのか?アサリがいっぱいパスタが美味いと食べられてしまうのか?ハラハラの展開がたまらない。
貝原(←主人公)、貝になったってよ。
とか読むと言いたくなるこの作品!
転生先が異世界はテンプレですが、しかしこの作品は他に類を見ないほどに異色です。
何故なら主人公が貝に転生してます。
貝 に 転 生 し て ま す !!
うおお何て斬新なんだ……!と同時に、この貝ウケる~とか思いながら読み進めてしまいました。
弱き者から淘汰されるという自然の厳しさの中、色々と主人公の置かれる状況は切羽詰まっているのに、一人称語りがコミカルで物語が軽快に進んでいくのが楽しいです。
きっと「貝」だからこそ、可笑しみを感じるんだと思います。
幼女アクリルとのコンビも和みます。
この作品には☆がすでにたくさん付いてて既読の方も多いかと思いますが、まだの方は是非是非ご一読を!!
かの名作『私は貝になりたい』を彷彿とさせるタイトルですが、中身は異世界転生モノです。
貝になったら「そうだ貝がいい。貝だったら深い海の底の岩にへばりついているから、何の心配もありません。兵隊にとられる事もない、戦争もない…」という状況になるかと思いましたら、現実はそうもいきません。恐ろしい生物たちが貝を狙って襲ってきます。
それは異世界でも一緒のようで、こちらの世界以上の凶悪なモンスターが次々と襲ってきます。モンスター以外に人間にも襲われます。やはり、貝になっても戦い続けるしかないのです。
しかしそこはそれ、異世界転生チートパゥワーで襲いくる敵を返り討ちにしていくのです。
それにしてもなぜ貝に転生なのか…カクヨムというところには次から次から油断ならない作品が投稿されますね…
冒頭にも出てくる『私は貝になりたい』を彷彿とさせる題名に、ふらりと読み進めれば、まさか本当に貝になってしまうとは。
主人公が貝だなんて、いったいどう話が進んでいくのだろうか……一抹の不安と共に読み進めていくが、それはあっさり晴らされることになる。
手に入れたスキルを活用し、捕食と狩りにより経験値を得てレベルを上げる……まさしく貝の世界のRPGだ。
それも、自然ならではと言うべきか、なかなかに厳しい野生の世界も垣間見られる。
そして物語は更に展開し……。
なにより、文章に読んでいて思わずくすりとしてしまうユーモアが含まれている。ファンタジーとしてもコメディとしても秀逸な作品。
死んでしまった主人公を待ち受けていたのは、異世界での食うか食われるかの貝としての生活。
殻があるからって無敵って訳じゃない、生きる為には食わなきゃならないし捕食される危険も当然あるわけで。しかし命がけでお気楽に、梅での生活を彼はエンジョイしていた。
そんな彼が漁師に捕まり水揚げされてしまったのだが、ある少女と心を通わせ人間社会で生活する事になるのだが・・・・
様々な思惑が錯綜する陸での生活――――
食うか食われるだけだった海での生活――――
果たして、彼にとって幸せな生き方はどちらだったのだろう?