あまたの作品が投稿されるWEB小説で埋もれてしまう作品があるのはなぜだろう? という問いに正面から分析なさっているもので、ハッとさせられた内容もありました。
私も「なぜ多くの作品が埋もれてしまうのだろう? まだ見ぬ名作が浮上するすべはないのだろうか?」ということを最近は特に考えてしまいます。
実はカクヨムさんには(も?)相当数のプロ作家経験のある方々が投稿しておられてて、一部の方を除いてほとんど完全に埋もれているのですよね。
「あれ? この方確か本屋で名前見たぞ……?」みたいな方でもそうなのですから、非常に厳しい世界だと感じています。
まだまだ知られていない名作、ないし名作にもなりえる原石はゴロゴロ転がっているはずで、どうにか探し求めていきたいですね。
私もカク側なので限界があるのですけれど……こうして同じ思いを抱いておられる方がいらっしゃるというだけでも心強いと感じます。
ジャンルの流行は永遠ではありません。
まったく予想もしていないジャンルから、新しいテンプレを生み出せる人が次の時代を引っ張っていくのではないでしょうか。
それは果たしてどこから出てくるのでしょうね。
願わくはその萌芽をカクヨムさんで感じることが出来れば素敵だなと、心の底から思います。
良作が埋もれることについての考察ですが、Web小説全般についての考察と言ってもいいかもしれません。
鋭く分析されていて、頷くこと多々。
カクヨムでWeb小説に触れる機会が増えたことで、個人的にはWeb小説と紙小説は媒体が違うだけでなく、すでに別のコンテンツなんじゃないだろうかと感じています。
作者様がご指摘されている歴史ジャンルの読者が少ないことは、カクヨム開始当初からですね・・・。
歴史もの好きとしては寂しい限りですが・・・。
入口はどんな形でもいいから、歴史ものに興味を持ってくれる人が増え、興味が高じてライトからややハードへ、となることを密かに期待しています。
サービス業と作家業、バランスの難しいテーマですね。
とても考えさせられました。
確かに特定のジャンルが増えてしまう傾向、そしてそれらがランキングを独占してしまう以上、埋もれてしまう名作は多いですね。
しかし、圧倒的に異世界ファンタジーが多いこの環境。ある種のテンプレ展開も増えていて一部の方が辟易しているのも現状です。
読んでいただいた方からは高評価でも、なかなか多くの人に読んでもらうまでにいかない、評価もつかないと言うのもわかります。
特に歴史小説は知識や情報を総動員する関係上、読む側も相応の知識量が要求されてしまい、結果敷居が高いと感じるかもしれません。
もっとたくさんの方にいい作品を紹介したいと言うのは皆思う所です。
近況ノートやレビュー専用の作品、スコッパーなどたくさんの方が頑張っている中で、この様に原理についての考察もとても参考になります。
「ふむ、ふむ」と首肯し、
「ドキリ」としながら更新分を読了した。
私、すなわちレビュー者は先日「カクヨム」に
「歴史・時代・伝奇」ジャンルの短編で
デビューしたばかりの新参者だが、
そもそも当該ジャンルが過疎地であることを
ろくに知りもしなかった暢気者である。
(カクヨムコンテストに応募できないだと…!?)
〔追記:応募条件から外れていたのは、
一部のコンテストなのですね、謝して訂正します〕
本作は「ジャンルの壁と地形効果」「一次試験」
「名文」=必ずしも「高評価」ではない?、等々
名作が「埋もれてしまう」理由を
わかりやすいキーワードを用いながら
作者が解き明かしていく。
私は既に
「書きたいものをそれに適合した文体で書き、
多数でなくとも世間のどなかに見ていただければ十分」
というスタンスを決めていたが、
それでも本作を読み、改めて
「名作って何だろう?」
「読者に読んでもらうとは?」と
我が身と自作を振り返るきっかけを得た。
特に「名文」の下りにおいては、
全く他人事とは思えず、
「これって大いに心当たりが…(汗)」と
おののききながら読ませていただいた。
というのも、私自身が歴史小説で――
特に中国史や東洋史を題材にした作品で
中島敦のごとき美文調には及びもつかぬとはいえ、
用いる文体が「硬い」文章であることは
人にも言われ、よく自覚もしているところである。
とはいえ悲しいかな、多少なりとも長く
漢文教育を受けてきた身としては、
何もわざと気取った文章を書いている訳ではなく、
漢字文化圏の「むかしばなし」を書くとなると
パチモンとはいえそれらしく漢文調になっていないと
生理的に落ち着かないからである。
しかし自分に酔っているような、
読者にとって読みにくい、
ただの満艦飾の文章となっていやしまいか、
と悩んでいるのもまた事実で、そんなところに
本作が目にとまった次第である。
文章、内容ともに読者に必ずしも優しくない、
しかも外国史の歴史小説で
「ネットに投稿しても需要ゼロでは…?」
と心配したカクヨム第一作が予想よりもPV数がつき
嬉しくも丁寧なレビューをも頂戴したので
私自身は良かったと思っているが
これが爆発的により多くの読者に読まれ、
星とレビューを大量に得るかというと
そうではないだろう。
ここまで長くなったが、
本作は「埋もれた名作」を通じ、
読者と書き手のあり方から
読まれる、読ませるということ、
流行と書き手のスタンスとの関係にまで及ぶ。
「カクヨム」で修行しつつ商業デビューを目指す方々、
また歴史・時代・伝奇ジャンルで活動されている
諸兄諸姉にも是非読んでいただきたい好論である。