第8話 人工知能の研究テーマに物語の自動生成を見つける

 ひとまずオンラインソフトには小説の自動生成がなさそうなことは判ったが、それ以外でもなにか見つかるかしれないと思い、私はあれこれキーワードを変えて検索をかけてみた。たまたま「物語自動生成」のキーワードで検索したとき大学の研究室のサイトを見つけた。

どうやら、大学の研究室で人工知能のテーマとして物語の自動生成の研究をしているところがあるらしい。

私は今まで自分が作ってきたソフトが「人工知能」ソフトに分類されるソフトらしいと判ってびっくりした。

私はもしかして、もう小説の自動生成なんてものは人工知能では当たり前にやられていて、短編小説を生成するくらい簡単にできるのかもしれないと半分はがっかりした気分でホームページを調べてみた。

研究者が研究の対象としているのは、もっぱら童話や昔話、民話のたぐいで体験告白小説というのは誰もやっていない様子だった。

私はどの程度のレベルの昔話や民話が生成できるのかを知りたいと思ってあれこれ調べてみた。

だが、どこをどう読んでも「物語の自動生成ソフトをこれからどうやって作るか」という話しはいくらでもあるのだが「出来上がったソフト」というのはどこにもなかった。

私は人工知能を研究している大学や、企業の研究所のホームページを片端から検索をかけてみた。

いろいろな人工知能関連のホームページを見る限りでは、文章や物語を生成する研究はあまり行われてはいないのが判った。

確かに物語の生成について壮大な計画を立てて、計画通り進行中と紹介しているホームページもあるにはあったが、どれも途中まで計画通りと言うだけで実際にはソフトはできてはいない。

いくら計画を立てて、予定通り完成予定と言ったところで実際にソフトができなければ何もしてないのと同じだ。

私はどうやらとんでもないソフトを作ってしまったらしいと判ってきた。

だが、肝心のゲームコンテストの審査委員が私の作ったソフトを理解できるかどうかはまた別の話だった。

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