鬼ヶ島のありか
鯖みそ
鬼ヶ島のありか
むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが居ました。
お爺さんとお婆さんは生活のために、山へ芝刈りへ行ったり、川へ洗濯しにいくのですが
ほかに何もすることもなく、しだいに老いていき痴呆症になってしまいました。
なので、お爺さんは山へ芝刈りへ行くと言いつつも川へ洗濯しにいき、お婆さんは川へ洗濯しにいくと言いながら、家で果物を切り刻んでいました。
お爺さんはふらふらした足取りで水辺へ向かうと、足を滑らせて川の中に頭から入ってしまい溺れてしまいました。
ばたばたばたばた。ばたばたばたばた。
お婆さんは果物を切っています。
ばたばたばたばた。ばたばたばたばた。
お婆さんは果物を切り終えました。
すると何を血迷ったか、その刃物を自らの喉に差し入れたのです。
ずぼっという音がして、真っ赤な血が、それはもうとめどなく溢れています。
すでに水辺は静かになっていました。
お爺さんの体はいつまで経っても浮かんできませんでした。
鬼ヶ島のありか 鯖みそ @koala
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