夢を語る子供たち

「ユウ、そろそろ起きなさい」


 薄暗い部屋の中に、階下からかかる声が届く。


 もぞ、と二段ベッドの上が動き、掛布団から顔を出したのは──もさもさの顔をしたイヌ系男子。


「ねえ、今日は日曜だよ!」

「そうね」


 あくびをしながらの大声に、階下の声はいたずらに応える。


「日曜だから会える子もいるんじゃなかったかしら?」

「そうだった!」


 イヌ系男子はがばりと起き上がると、ベッドから飛び降りる。急いで顔を洗って着替え、階下のダイニングに向かう。


「おはよう、ご飯用意してるわよ」

「うん」


 キッチンから長身のクマ系女子が言うのに頷いてテーブルにつこうとする、と、先客がきらりと目を輝かせた。


「お兄さん遅ーい」

「何もない日だと思ったんだよ」


 小さなイヌ系女子にそう言い訳して、イヌ系男子は座る。


「いただきます。──姉さんと父さんは?」

「お姉ちゃんは友達と図書館。お父さんは別のタイムゾーンからの依頼が入って、まだ仕事中よ」

「えー、それじゃお出かけは?」


 小さなイヌ系女子が足をばたつかせると、クマ系女子は苦笑する。


「もうそろそろ終わるし、短縮睡眠の許可も出ているから大丈夫よ」

「いいなあ、短縮睡眠」


 イヌ系男子はトーストを口に突っ込み、もぐもぐとしながらぼやく。


「メモリの整理にかかる時間は少ないんだから、ずっと短縮睡眠にしてくれればいいのに。なんだって毎日6時間も寝ないといけないんだろ」

「しょうがないじゃん。人間がそうなんだから」


 小さなイヌ系女子がフォークを指先でプラプラ振って言う。


「人間は自分の肉体を知るために、自身に似せてケモノを作ったんだからね!」

「僕らと人間じゃ、だいぶ外見が違うけど?」

「人間は私たちを愛するために、外見だけかわいくしたんだよ?」

「都合がいいなあ」


 イヌ系男子はため息をひとつ吐いて、リモコンに手を伸ばしてテレビの電源を入れた。パッと映った画面に表示されるのは、インコ系男子のアナウンサーがニュースを読み上げる場面。


『次のニュースです。めじろ製菓で稼働中のケモノラインは今月で操業15周年を迎えました。ケモノが人間世界の製造業に関わる初のケースとして始まったこの米菓の製造ラインはロボットアームを……──』


「あ、お母さんの職場だ~」

「あら。今日放送だったのね」


 クマ系女子が、声を弾ませる小さなイヌ系女子の隣に座る。


「そう、もう15年か。あなたたちも大きくなるものね。高校を出てすぐ工場に入って……懐かしいわね。今じゃ考えられないようなトラブルがいっぱいあってね。別の職場だけどセクはらの縫製ラインなんかじゃ……」

「面白そうな話だけど、また後で聞くよ」


 イヌ系男子はチャンネルを変更する。次に映った画面で放送されているのは、為替の情報のようだった。


「うーん。円もドルも上がってるなあ……」

「お兄さん、またお金の話?」

「お金は大事だろ」


 あきれた顔をする妹に、イヌ系男子はムッとして応じる。


「父さんも母さんも人間にサービスを提供しているんだから、そのまま人間通貨がもらえればいいのにな」

「そんなことしたらケモノ世界側に貢献している人たちがかわいそうでしょう?」

「いったんケモノ通貨にする理由は分かってるけどさ。人間通貨じゃないと買えないものもあるとなると……」

「そうね、例えば」


 クマ系女子は目を輝かせる。


「誰かを誘うためのチケット、とか?」

「………」

「あー、お兄さん照れてる」

「うるさいな」

「こらこら、喧嘩しないの」


 クックッと笑いながら、クマ系女子は端末を取り出して操作する。


「実は15周年でボーナスが出たのよ。だからチケット分なら出してあげるわ。これで足りる?」

「本当に!? ありがとう! あの、あとで……しばらくしたら運用益で返すよ」

「気の長い話になりそうだし、忘れることにするわ」


 もじもじと言うイヌ系男子に、クマ系女子は肩をすくめて返す。


「まったくそういうところは誰から学習したのかしら。ほら、そんなことより時間はいいの?」

「食べるのってなんでこんなに時間かかるんだろう?」

「楽しい食事に文句言わないの。お母さんの若い頃なんて食感がなかったんだからね?」

「出た、第一世代定番の話」


 イヌ系男子は牛乳で口の中身を流し込む。


「ごちそうさま。行ってきます!」

「メンテナンス予告はチェックしてる?」

「してる。大丈夫、該当ゾーンに入ったりなんかしないよ。じゃあ」

「お兄さん、行ってらっしゃい」



 ◇ ◇ ◇



「それでは解散」

「ありがとうございました!」


 少年少女たちの声が青空に響く。球場のベンチ前で並んでいたケモノの子らが、談笑しながら三々五々に歩き出した。そんな中、ユニフォームを着た2人のケモノ女子に、イヌ系男子が観客席から降りて近づいていく。


「あっ、ユウ」


 最初に気づいたネコ系女子が手を振る。イヌ系男子は駆け足で寄っていった。


「2人ともお疲れ様」

「あはは、もっとねぎらってくれていいぞう!」

「……ねえ」


 笑うネコ系女子の脇を、トラ系女子がこっそりとつつく。


「……誰、だっけ?」

「えっ!? 嘘だろ? ……まさかメモリが?」

「うん、嘘」


 トラ系女子はクスクスと笑う。


「オオカミタガイユウ……もちろん」

「はあ……焦ったよ」


 イヌ系男子は肩の力を抜く。


「2人はタイガプログラムで選ばれて、いろんなリージョンで対外試合やってるんだから、いろんな人と会うだろ? いくら同級生でも、重要度が低くて忘れられたんじゃないかと」

「シャレになってないってさー」

「ごめん」

「いや……いいよ、大丈夫」


 頭を下げるトラ系女子に、イヌ系男子はバタバタと手を振って頭を上げるよう促す。


「それより、大活躍だったね。学校のチームに参加したらあっさりリーグ優勝できちゃいそうだよ」

「でしょ? だいぶ強くなった実感はあるんだよね!」

「ん……でもまだ、先は長いから」


 胸を張るネコ系女子の隣で、トラ系女子は真剣な目をする。


「本番は……獣子園から。あと4年、練習しないと」

「だねー。同じ学校に進学できたらいいけど、こればっかりはランダムだから」


 うんうん、とケモノの子らは頷き合う。


「で、今日はどうする? イギリスリージョンへの飛行機は夜に出発だから、結構時間あるけど」

「それなんだけどさ」


 イヌ系男子は端末を取り出してかざす。


「ケモノリーグの試合のチケットを取ったんだ。チャンネル1のやつ……どうかな?」



 ◇ ◇ ◇



「おおーっ、満員満員!」


 球場の観客席に出て、ネコ系女子が両手を上げて騒ぐ。


「人間もいっぱいだ。さすが、トップリーグの試合だよね!」

「うん」


 間の抜けた感じのアバターたちに、ネコ系女子が手を振ると、アバターたちはちらほらと反応して似たような仕草を返した。


「人間の化身は愛想がよくて面白いなあ~」

「さそっておいてなんだけどさ」


 きょろきょろと辺りを見回しながら、イヌ系男子が言う。


「チャンネル1の何がそんなにいいわけ? 2以降なら人間通貨なしで見れるのに」

「分かってないなあ、ユウは」


 ちちち、とネコ系女子は指を振る。


「こっちの応援が選手に届くのがいいんだよ。もしかしたら反応があるかもしれないし!」

「それに……ボールの処理があるのも、チャンネル1だけだから」


 トラ系女子は脇に挟んでいたグラブを手にはめてニギニギとする。


「試合に参加してる……気分になる」

「ボール、頭に当たっても透過するけど?」

「そこを捕るのが面白いんじゃん。そんなこと言ったらさあ……ひとりで見るのと何が違うの? って訊いちゃうよ?」

「さあ席に行こう!」


 ケモノの子らは予約した座席に移動する。


「えっと、鳥取サンドスターズと島根出雲ツナイデルスの試合か」

「え、それ今? チェックしてなかったの? いい試合選んだなーって思ったのに」

「時間が合うかだけ見てたから……えーと」


 イヌ系男子は頭を掻く。


「島根って、えーっと、砂林クロジがいる球団だっけ?」

「そうそう。あそこでマスク被ってるキャッチャーがそう。島根の大黒柱!」


 ネコ系女子がキャッチャーボックスで中腰になるジャッカル系男子を指す。


「なんか、昔は別のポジションじゃなかったっけ?」

「おっ、詳しいねえ!」

「まあ、母さんの同級生だし、第一世代の代表だし、いっぱい報道されてるからさ」

「まあね。アマチュアから東京セクシーパラディオン時代まではショートやってたよ」

「でも二軍だった」


 トラ系女子がぽつりと呟く。


「そうそう。東京は層が厚いし、言っちゃなんだけどショートとしては守備がちょっとね。でも、島根にトレードで来て、捕手にコンバートしてからは一軍で活躍! いやー、監督の采配が光ったね。当初は人間からもたくさん批判されてたらしいけど」

「島根の監督って、あのダイトラだろ? もう80歳になる」

「81歳だよ!」

「81歳ね」


 イヌ系男子は端末を操作してベンチ内の映像を見る。


 ベンチの奥に腕を組んでずっしりと座る、白髪交じりの青い虎の巨体。


「81歳になっても監督がやれるほど思考能力を維持しているのは、やっぱりインスタントだからなのかな? 理論上は65年以上のメモリ蓄積があると、思考能力に影響が出るって仕様らしいけど……実際の稼働年数は36年ぐらいなんだよな」

「……難しい話、してる?」

「いや。あの年齢で何もエラーがなくて羨ましいなってだけの話。実際どうなるかは、第一世代が65歳になってからだから分からないけど……エラーなしで寿命を終えるのは、ちょっとズルいなあって」

「まだ先の話じゃん。それに100年でも大丈夫かもって話もあるし、気にしても仕方ないよ」


 ネコ系女子は肩をすくめる。


「ほらほら、それより試合が始まるよ! ユウもしっかり応援してよね!」



 ◇ ◇ ◇



「いやー、いい試合だったね! あそこからの逆転劇は爽快だったよ!」


 試合が終わり、ゾロゾロとアバターたちが帰っていく中、混雑を避けるケモノの子らは席に座ったまま語り合う。


「……うん。あの作戦は良かった」

「うまくハマったよね。ユウはどう思う?」

「僕はそれより、監督の行動が驚きだったよ」


 イヌ系男子は肩をすくめる。


「ベンチにいないなと思ったら、ブルペンに行ってキャッチャーやってるってどういうこと?」

「あっはっは。毎度代わりに指揮を執るヘッドコーチのルーサーも大変だよね」

「仕事を放棄してるんじゃないの、あれ」

「んー、控え投手の調子を自分で確認してるんじゃないかなあ?」

「ブルペンコーチの仕事じゃん」

「それは言えてる!」


 けらけらとネコ系女子が笑う。


「だいたい、身体能力もおかしいよ。他の50代、60代のケモノは目に見えて身体能力が落ちてるのに、普通に投手に座ったまま腕だけで返球できるなんて。バグなんじゃないかなあ」

「人間も60歳以上のチームで試合することがあるらしいよ?」

「あれはプレイフィールドが通常より狭いんだよ」

「詳しい……ね」


 トラ系女子がにこりと笑う。


「ユウも……野球に興味が出てきた?」

「……ケモノとして平均的な興味は持ってるよ」

「でもチームには入らないんだ?」

「遺伝子が向いてないみたいだし。それに、他にやりたいことができたからね」

「へえ!」


 二人のケモノ女子が目を輝かせる。


「将来の進路が決まったんだ?」

「あ、うん、まあ」

「知りたい」

「ね!」

「別にいいけど」


 イヌ系男子は咳払いをして──ゆっくりと、しかし自信のある口調で言った。


「僕は──ゲームを作るよ」

「ゲーム?」


 目をぱちくりとするケモノ女子に、イヌ系男子は頷く。


「ケモノの創作は人間世界に受け入れられつつある。小説、絵画、3Dモデル、音楽。様々なジャンルでケモノが作って、人間世界で売られている。でも、それはまだ単一の創作だけだ。文章だけ。絵だけ。音楽だけ。それらを人間が買い取って、人間の作品の一部として組み込むことはある。人間の要請に応じて俳優として映画に出ることも。けど……ケモノたちはそれで満足して止まっている。でも」


 イヌ系男子はぐっとこぶしを握る。


「それらをケモノたち自身の手で組み合わせれば、もっと人間を楽しませることができるはずだ」

「それが……ゲーム?」

「うん。ゲームは人間を楽しませる総合芸術だからね」

 

 イヌ系男子は得意げに言う。


「ファミコンも70周年を迎えるのにまだまだバーチャルコンソールで遊ばれているぐらい、人間はゲームが好きなんだ。絵も、音楽も、プログラミングもケモノの手でできる。材料はそろってるんだ。やれないことはない」

「へえー、すごい! え、じゃあユウが全部作るの!?」

「あ、いや、そこはその……それぞれできるケモノを集めて、チームにして……」


 ネコ系女子に詰め寄られて、イヌ系男子はもごもごとなる。


「……まあ、まずはPCの利用権を買わないといけないから……プログラミングのコンテストに入賞するのが目標かな。お金も溜めてるけど、入賞すれば無料で使えるから」

「なるほど。お互い、先は長いねえ」


 ケモノ女子二人が笑い、イヌ系男子が頭を掻く。



「(がんばってね)」



「……ん?」

「どうしたの?」

「いや、なんか誰か日本語で話しかけてきたような」


 ケモノの子らは辺りを見回す。


「……それらしい人はいないけど」

「なんだろう。遅延した音声かな? 日本語分からないんだけどなんか──」

「あっ」


 ネコ系女子が声をあげる。


「ねえねえ、あれ! カヨさんじゃない?」

「え? カヨって、司書の? ここに本体が?」


 イヌ系男子がネコ系女子の指す先を探すが、目的のケモノは見つからない。


「あれ、いなくなっちゃった」

「見間違いじゃないか? あの人、わざわざ球場に来て観戦するほど暇な立場じゃないだろうし」

「そうかなあ……ネズミ系の二人組だったから、見間違いかも」

「お互い疲れてるんだ。アバターもみんな帰ったみたいだし、そろそろ移動しよう」

「うん」


 ケモノの子らは観客席から移動し、球場の外へ向かう。日の落ちたロータリー。呼べばすぐに来る無人の公共交通機関。


「それじゃ、あたしたちは空港へ」

「うん。僕は家に」

「またね……ユウ」

「また」


 ケモノの少女たちが呼んだ自動運転のタクシーが到着し、二人を乗せて出発する。


「……言っちゃったな」


 それを見送ったイヌ系男子は、ぽつりとつぶやく。


「ああ、言った。言ってしまった。これで実現しなかったら恥ずかしいぞ。本気を出さないと」

「そうだぞ、本気を出さないと」

「うわあ!?」


 背後からかけられた声に、イヌ系男子が飛び上がる。彼が振り向いた先には──大きな眼鏡をかけたクマ系女子がいた。


「ね、姉さん!?」

「おう、愛しの弟よ。球場デートって聞いたから、一緒に帰ろうと思ってね」


 クマ系女子はニィと笑う。


「そしたらなかなか面白い独り言をしてるじゃないか? どれどれ、お姉さんにちょっと詳しく説明してみたまえよ」

「いや、その……ええと」


 イヌ系男子はしばらく渋るものの、姉の押しに負けてポツポツと計画を話し始めた。クマ系女子は、ウンウンと頷きながら聞く。


「なるほど、ゲームねえ。さすがプロゲーマーの息子、そして我が愛しの弟! 最近プログラミングについて質問してくれたのはそのためかぁ」

「うん、まあ……」

「水臭いねえ。そういうことなら、お姉さんに頼むのはプログラミングの指南じゃなくてさあ」


 クマ系女子はイヌ系男子の首に腕を回す。


「仲間になってください、愛しのお姉さん、でしょ?」

「……仲間になってよ、姉さん」

「つれなーい! でも、いいよ。それにさ」


 クスクスと笑って、イヌ系男子の耳にささやく。


「愛しの弟が考えてる悪だくみ、お姉さんわかっちゃったんだなあ」

「……何の話?」

「人間用のゲームを作る。うん、いいよ、実にケモノらしい。でもねえ」


 クマ系女子はじっとりと言う。


「我が愛しの弟が、それぐらいで満足するとは思えないんだよねえ。そう、ひねくれものの君にしては素直すぎる。ゲームを作るってことは確かに新しい。働く先が引く手あまたのケモノにはなかなか至れない発想だ。けど……それだけなのかな?」

「………」


 イヌ系男子はしばらく下を向いた後、ゆっくりと顔を上げる。


「ケモノは、人間に労働力とエンターテイメントを提供してる。そうして得た人間通貨で、僕たちの世界を動かすサーバーを維持してる。でもその一方で……ケモノに対するサービス提供……店舗の運営者だったり、ケモノ向けのニュース編纂者もいる。彼らの働きは人間通貨に直接つながらないにも関わらず、この世界の初期から人間の手によって用意されている」

「うんうん」

「つまり……ケモノは必ず人間の役に立つ仕事をしなければならないわけじゃない……ってことだと思う」


 だから、とイヌ系男子は言葉を続ける。


「人間向けのゲームだけじゃない。……を作ってもいいんじゃないかって」

「ほほう」

「そうすれば、これまでにないゲームが作れるはずなんだ。たとえば、人間がフィクションで何度も書いていながら、未だに実現していない──」


 言葉を待つ姉に言う。


「……VR……とか」

「ケモノはデジタルの存在。視界や感覚の上書きは不可能じゃない。……うんうん、さすが我が愛しの弟だねえ!」

「……姉さんもその可能性には気づいてたんじゃないの?」

「愛しの弟の手柄にしようという姉心だよ。そもそも、お姉さんは可能性は思い至っても、やろうとは思ってなかった。実行を計画した君が一番さ。……さて」


 クマ系女子は弟から離れる。


「そろそろ帰ろうか。あまり遅いとみんな心配するからね」

「そうだね」


 姉弟は自動運転のバスを呼び出して乗り込む。


「そうそう、とはいえいきなり完全没入型VRゲームに挑むわけじゃないだろう?」

「まあ、はじめのうちは簡単なものから作るつもりだよ。資金は必要だし」

「先行研究は十分かい? ゲームの歴史は長いよ」

「資料映像とか、父さんのプレイなら……実際にプレイしようとすると人間通貨が必要だから、あんまり」

「それはいけない」


 クマ系女子は端末を操作して、イヌ系男子に渡す。


「ケモノが作ったゲーム、というのはまだないけど、ケモノをモチーフにしたゲームならいろいろあるんだ。実はケモノの身でも無料で遊べるものが昔開発されていてね」

「それがこれ? へえ、タグがすごいな。お手軽、簡単、短時間。なのにやり込み、神ゲー?」

「参考にしてみたらどうだい?」

「うん。どうせ移動時間もあるし、やってみようかな」


 そしてAIの少年は、軽い気持ちで画面を操作した。


「『ビーストリーガークマタカのホームランダービー!』か。あの名選手をモチーフにして人間が作ったゲームなら、きっと面白いんだろうな」

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