辺境の砦を守る、国九番手の弓取りワカツ。
霧に閉ざされた人跡未踏の地から、見たこともない巨大な怪物が現れた!
異国からの使者オリューシアは、それを『恐竜』と呼ぶ。
魔法はありません。科学もそこまで発展していません。
弓や刀、攻城兵器などで、人類は恐竜に立ち向かいます。
『六人の赤ずきん』や『おじさんと海』もそうでしたけれど、
この作者様の作品は、知性ある怪物との知略を尽くした戦いが、
めちゃくちゃ怖くて面白いのです。
言葉の通じる敵もいますが、物言わぬ敵は別種の怖さがありますね!
現在73話ありますが、先週、ド平日の明け方なんぞに読み始めてしまい。
当然、読み終えられるわけもなく、その日の日中
「続き、続きが気になる……」と身悶えておりました。
九位付き忍者の、全然敬ってないみたいでちゃんと護ってるところが大好きです。
十弓勢揃いシーンはすごくカッコいい。
season6が近々始まるそうですので、みなさま、ぜひ。
この連休中に追いつきましょう! オススメです!
永い間人類の侵入を拒んでいた壁が崩れ中から怪物達がワラワラ出てきて人類が大ピンチだがそれでも人類は団結しなかったというファンタジーものの王道と言ってよい展開ですが、出てくる怪物がわれわれにもなじみ深い恐竜というのは新鮮です。敵組織の設定もこの設定だと普通の人間とは到底相いれないよねと納得。
主人公も十分超人だが上には上が居て弓でティラノが倒せるかと言うと難しい、そういったバランスでその上恐竜そっちのけでいつもの政争や他国の足をひっぱろうとする連中が立ちふさがるが弓の腕が良いだけの主人公には対処が難しい。そういう訳で苦戦の連続で敵組織を一人を仕留めるまでだいぶかかったりもしますが主人公が少しずつヒーローに近づいていくようすはストレスを感じる暇も無く一気に最新話まで読んでしまいました。
これからの見どころとしてはやはり落としどころをどうするか?という点でですね、恐竜を全滅させるのはさすがに無理でしょうし結局はどこかで共存を考えないといけないが人類側としてはそんな事はしたくないわけで。
巨大生物に生身の人間が立ち向かうバトルアクション――映像作品やゲームではおなじみですが、文章では表現しにくいこの題材を、見事に描き出したのがこの作品です。
この作品の一番の特徴は、人間という脆弱な存在に対し、容赦なく襲い掛かる『野生』、その恐ろしさが十分に表現されているところにあるでしょう。
主人公の弓兵ワカツ、そして成り行きで彼と行動を共にすることになった女騎士オリューシアは、ともに優れた技量を持つ戦士です。そんな彼らが、人を惑わす霧に覆われた未踏の地に迷い込むのが物語の導入部。彼らに襲い掛かるのが、多種多様な生態を持つ恐竜たちです。
国で十指に入るほどの弓の腕前を持つワカツですら、生き延びるのが精一杯。次々と襲い掛かる恐竜に対して、ワカツもオリューシアもほとんどなすすべを持ちません。
読者からすれば、ワカツたちは明白なメインキャラゆえに、そうそう簡単にやられることがないのはわかりきっていること。しかし、彼らが晒される過酷な環境、そして恐竜たちの息もつかせぬ怒涛の襲撃を見ていると、次の瞬間には彼らがやられてしまうのではないかとハラハラさせられます。
自然、そして野生というものに対し人間がいかに無力であるか、それがしっかりと描かれているからこそ生み出されるスリル。この小説の醍醐味のひとつです。
第二章とでもいうべき部分に入ると、物語は若干毛色が変わったものになります。しかし、そこでもワカツたちには次々と困難が立ちはだかり、ピンチに次ぐピンチ。緊迫感のある展開に、画面をクリックする手が止まらなくなってしまいます。
オリエンタルと西洋風がミックスされた独自の世界観も魅力の一つ。作中にはいくつかの国家が存在し、それぞれが独自色のある文化を持っています。作中の登場人物も、その生まれ育った国家の文化を反映するような外見であったり性格であったりを持っており、『国民性』のようなものまでしっかりと想定されている印象。
主人公のワカツは、困難に対しても決してくじけず、どこまでも泥臭く生き延びようとする男。場合によっては手段を選ばない一面もあります。ウェブ小説において、このようなタイプのタフガイは、あまり出会えない貴重な存在と言えるでしょう。
さて、レビュー執筆時点では、物語はとりあえずひと段落。これからさらに激しくなるであろう恐竜たちとの戦いに向け、ワカツはどう動くのか。自らを凌ぐ圧倒的な力を持つ相手に対し、どう対抗するのか。作者様の紡ぎ出す次の物語に、期待せざるをえません。続きが待たれます。