恐怖、『呪われた廃駅』!! 【短編】
アルガマ
恐怖、『呪われた廃駅』!!
俺は
………だがアイドルと女優に二股掛けていたのがバレてしまい、地方の放送局に飛ばされてしまった。それで今はしょうもない糞ローカル番組の糞レポーターをさせられてる。
…………くそっ、二股掛けて何が悪い、俺はモテるんだよ。この人事だって非モテの上司どもが僻んだからに決まってるっ! 俺は負けないからな!
「安川さん、次の仕事ですよ。」
「分かりました、今いきます。」
次は…………女市長に『街起こしの為の地観光スポット』の取材か。はっ、女ならお手の物だチョロいチョロい。俺は憤りながらもイケメンスマイルを顔に張り付け次の取材に向かった。
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私の住む街には、『呪われた廃駅』と呼ばれるものが有ります。それはだいぶ昔に廃止されたチンチン電車の駅なのです。
では、この駅が呪われていると言われる由縁についてお話ししましょう。
まずこの駅、二十年前には廃されていたはずなのに未だに残っています。 …………別にお金が無くて放置されていたわけでは有りませんよ。
………え、お金が無いから街起こしを始めたですって? ───ちょっと別室来てください。
五分後
…………この駅が取り壊されないのは工事をしようとするたびに、機械の故障や作業員からの妨害が相次ぐからです。………これは断じて呪いの仕業です。
え、お隣のC国とも繋がりの有る過激反対派のしわざですって?
…………いえ、呪いですよ。そう言えば、貴方も今朝『呪われた廃駅』に行ったのですよね? なら、お祓いをした方がよさそうですね。 ───実は私の実家はお寺なのでお祓いのやり方は知ってるんですよ。無料でして差し上げますね。
あ、有りました。 ───この神木で貴方をぶっ叩いて呪いを追い出しますね。
……………………え、突然目が覚めた!? 呪いの仕業に決まっている、ですって?
そうですかそうですか。 ………でも、念のためにお祓いはしておいた方が良いでしょう、ええそうしましょう。さあ、遠慮なさらずに。
え、後生ですから遠慮する、ですか?
まあそこまで嫌なら仕方有りませんねえ。………ちっ!
では最後に『呪われた廃駅』の最も恐ろしい部分について語りましょう。
それは『毎週月曜日の夜になると、魔境への扉が開かれる事』です。そして、『一度でもその虜に成ってしまえば、亡者と化し理性を取り戻す事は二度と無い』とも言われています。
え、急にホラーっぽくなってきたですって?
…………オホホ、イヤですね? 元からホラーでしたよ。
◇◆◇
ふぅ、とんだ目に遇わされたぜ。あの女市長はとんだ狐だったな。 …………だが、隣に立っていた秘書ちゃんは幼げな顔立ちに巨乳とモロタイプだったなー。
しかも、取材が終わった後の「市民のためにも『呪われた廃駅』を調査してもらえませんか?お礼は何でもしますっ」には本当にクラっときたぜ、ゲヘヘ。
後で彼女を美味しくいただく為にも『呪われた廃駅』にいっちょ行ってみますかー。今日はちょうど月曜日だしな。
ここが、『呪われた廃駅』か? 唯の風化した駅にしか見えないが…………………
『アレハナンダ、モシカシテキャクカ?』
『いえ、あれは唯の目撃者のようですねぇー。』
『呪われた廃駅』の奥からそんな声が聞こえた。ヤバいヤバい、修羅場経験(女性問題)豊富な俺の直感がそう言っている。
(よし逃げよう!!)
『ジャアコロソウ。』
それは同時だった。
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『こんばんは、ニュースの時間です。二股騒動で世間を賑わせていた元アナウンサーの安川晴斗さんが死体で発見されました。
警察の調べに因りますとC国系マフィアによる薬物取引の口封じに殺害されたと見て間違い無いようで、この事件を切っ掛けに何人かの地元有力者も逮捕されたようです。
───続きまして、次のニュースです。オリンピ…………』
「お疲れ様です、市長。」
「そうね、秘書さんありがとう。 …………これでようやく、私の改革が進められるっ!」
フフフ、これでやっと私の街からC国スパイの手先である過激反対派達を一掃出来たわ! …………思えば市長就任直後のこの街の状態は本当に酷かったわね。ほとんどの有力者がC国とのズブズブの利権関係に有って、私の住む街は不名誉なことにC国の侵略拠点基地扱いだったわ。
…………でも、あの有名人で美女に弱い二股糞野郎が殺されてくれたお陰で万事解決ね! 大きな事件になってくれたおかげで公安も重い腰を動かし始めたし、侵略者どもは一網打尽よ!
恐怖、『呪われた廃駅』!! 【短編】 アルガマ @arugama
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