もう泣かないでほしい。誰よりも可愛い天使。君は君のままでいいのだから。

『星の囁きβ ~ 醒なる美舞☆玲の愛 ~』で、不思議な力を持つスーパーベビーとして活躍したむくちゃん。
彼女も15歳になり、美術部員として絵画制作に打ち込み…その裏側で、つらい恋心に泣いたりします。

かと思えば、謎の多い名画を巡って異国へ。
そこではかつて一流の傭兵だった祖父と、美しきスナイパーの深い過去が…。
まるで外国映画を見ているような、ドラマチックな背景に浸れます。

何よりも、むくという、穢れなき稀有な少女の存在感。
彼女の、声にならない悲痛な叫びには胸が締めつけられます。

少女が家族の愛に包まれて、自分の生を歩き出す物語。
6万字弱の中編ですが、映画を丸一本見たような読み応え・満足感が残りました。

おとなしい、天使のようなむくちゃん。どうか幸せになってほしいです!

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