『星の囁きβ ~ 醒なる美舞☆玲の愛 ~』で、不思議な力を持つスーパーベビーとして活躍したむくちゃん。
彼女も15歳になり、美術部員として絵画制作に打ち込み…その裏側で、つらい恋心に泣いたりします。
かと思えば、謎の多い名画を巡って異国へ。
そこではかつて一流の傭兵だった祖父と、美しきスナイパーの深い過去が…。
まるで外国映画を見ているような、ドラマチックな背景に浸れます。
何よりも、むくという、穢れなき稀有な少女の存在感。
彼女の、声にならない悲痛な叫びには胸が締めつけられます。
少女が家族の愛に包まれて、自分の生を歩き出す物語。
6万字弱の中編ですが、映画を丸一本見たような読み応え・満足感が残りました。
おとなしい、天使のようなむくちゃん。どうか幸せになってほしいです!
物語は、美術部に脅迫状が送られてくるところから始まる。
淡々と話すムクちゃんがいい味だしてますね。大人しくともヒロインのオーラが出ています。あまり見かけないタイプのヒロインかもしれません。
ジャンルは恋愛物ですが、ノリがコメディタッチなところもあり、且つサスペンス要素も含まれていてなんだかとってもお得な小説です。
キャラクターの会話もテンポがよく、WEB小説ならではの勢いがあっていいですね。
ところで、「クソ」の進化形が「ケソ」とは初めて聞きました。とても勉強になりました(笑
皆さまも、賑やかな美術部の面々を応援してみませんか(⌒∇⌒)
(関連作があるので、先にそちらを読むと更に本作を楽しめるかもしれません)
「醒なる美舞☆玲の愛」「Ayaのひととき」の続編となる今作。前作でテレパシー天使として大活躍だったむくちゃんが謎を追う中、いろいろなことで思い悩み、その心境が切々と語られます。そして後半ではAyaやKouとの絡みと共に舞台をウルフの故郷に移してそれぞれの思惑が同時進行で展開されます。
赤ちゃんのころの能力が失われたむくちゃんはそれでもやはり天使。ミステリアスでダークな謎やシリアスで血なまぐさい展開もかわいさいっぱいのスターにゃんこ、そしておじいちゃんになってますますいい味を出すウルフの会話に和まされて楽しい。
むくちゃんには幸せになってほしいな~