第一章完結ということで次章への応援も込めてレビューさせていただきます。
「おめでとうございます!あなたが異世界の勇者に選ばれました!」
普通はここから異世界ファンタジーのめくるめく冒険活劇が始まるところだが、舞台はひたすら現実世界のまま。
しかも埼玉の狭いアパートの一室で物語が繰り広げられるのだ。
なぜなら、異世界転移を拒否する男をなんとしても連れて行くため、女神がそこに同居を始めてしまったから(笑)
頑なに異世界行きを拒む凡介は、平凡をこよなく愛する男。
平凡な生活のためならば、女神に数々のプロレス技を容赦なくかける漢気あふれる高校生だ。
対して、なりふり構わず彼を異世界に連れて行こうと企むロゼリアは、言動がゲスい駄女神。
けれども、そんなゲスさがロゼリアの必死さを表しているため、段々と可愛らしく思えてくるからあら不思議。
凡介に毎回手酷く扱われながらもちょっと期待しちゃったり、ときめいちゃったりするロゼリアがめちゃくちゃ可愛らしくて、可哀想に思いつつもずっと技をかけ続けられてほしいと思ってしまいます。
第一章の最終話では、そんなロゼリアちゃんの心境に少しずつ変化が……。
そして、究極のキモオタ隣人であるシコ郎さんの他にも強烈キャラが出現の予感……。
今ですらめちゃくちゃ面白いのに、次章はどうなっちゃうんだろうという期待しかありません!
皆さんもぜひ、このタイミングで新章でのロゼリアの受難を大笑いしながら追いかけていきましょう!
タイトルに「異世界」とついてはいますが、本作は異世界転生/転移ものではありません。
とは言え、カテゴリに指定されています「ラブコメ」とも何か違う気がします。
小生の拙い語彙から強いて最も近い言葉を選ぶならば、「夫婦どつき漫才」でしょうか。
異世界転生/転移ものにおいては定番と化した残念チョロ女神を相方に、
何があろうと動じない鋼メンタルとセメント対応ときどき暴力で返す自称凡人の日常は、
その無慈悲さがボケにもツッコミにもなりうる縦横無尽さでもって、傍から見れば愉快痛快。
いや本人たちは大真面目なんでしょうが。
小気味良い丁々発止のやりとりを是非一度ご覧あれ。
現代日本の高校生・平兵凡介は、女神ロザリアによって勇者として選ばれ、異世界を救うために召喚される……はずだった。
だが、頑なに女神の要請を退け、異世界行きを拒む主人公。
なぜなら、彼は平凡な現代社会での暮らしをこよなく愛していたからである――
という、非常にわかりやすい導入部ではじまるコメディです。
物語はやがて、どうしても異世界召喚に応じない主人公を説得するため、長期戦を覚悟したロザリアが彼の自宅へ居座ることを決意。
行き掛かりから同棲生活に突入してしまいます。
Web媒体が意識された読みやすい文体で、物語はひたすらテンポよく、楽しくギャグ満載で突き進みます。
勇者を異世界送りにするためなら、現代日本でのアルバイトすら辞さない女神のキャラが強烈!
なのですが、とにかく平凡に暮らすこと以外に興味がない主人公も、こちらはこちらで態度がブレなさすぎて濃いキャラでした(笑)。
そんな二人のお笑いコント的なノリが素晴らしい、変則コメディです。
ただし爆笑展開だらけなので、人目がある場所で読む際にはご注意を!