30代男性の心に響くであろう、青春(引きずってる)小説

中学校時代の友達が死んだ――大人になった「彼ら」の元へ伝えられた、一つの報せ。そこから物語は動き出す。

文体、雰囲気がとても良いです。もやもやとした中学校時代の雰囲気を、そのまま捨てられずに、背負い続け、大人になり、より出口がないことに焦っているような、そんな状況が、一気呵成に続く独白形式の長文によって綴られています。脳内でぐるぐる回っている感じが、びしびし伝わってきます。

たぶん、今、30代半ばぐらいの男性には、ドストライクな内容です。90年代の青春風景がよみがえります。

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