箱庭のティターニア

作者 青柳朔

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★★★ Excellent!!!

箱庭の描写がとても美しくて、だからこそその残酷さが際立ちます。

その中で箱庭に閉じ込められた妖精と箱庭職人の青年の心の交流がとても良かった。妖精のセリフはまったくないのですが、それでも彼女が青年に心を開いていること、信頼していることがよくわかります。その描写がとても美しくて大好きです!

エディの志を継いでくれるひとがいて良かった。二人の時はあの瞬間に終わってしまっていて、それは残されたものの自己満足に過ぎないのかもしれないけれど、それでも良かったと思える終わり方でした。

素敵な物語をありがとうございました!

★★★ Excellent!!!

 人が鑑賞する為に天使や人魚、妖精を閉じ込める。それにインパクトを受けました。ティターニアの登場までの緊張した空気、その高まりと露わになってからの白熱したオークションに引き込まれました。人の残酷な面と暖かい面の両方が鮮明に現れています。
 前に一度読んだのですが、再び読みたくなってしまいました。またいつか読みたくなってしまうかもしれません。

★★★ Excellent!!!

妖精と人間世界の関わり合い方が、残酷ながらも見事に溶け込んでいるように感じました。
私たち人間は人間の残酷さをよく知っているからこそ、妖精を鑑賞品として扱うことにある種のリアリティを感じるのかもしれません。
短編だけに、魅力的な世界観が凝縮された作品だと思います。
悲しくも幻想的な美の世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか。

★★ Very Good!!

 残酷なインテリアを愛好するという、独特の流行の世界観の提示にまず引き込まれました。そこから職人の性、青年の思慕と場面が矢継ぎ早に変わり、退屈することがない。このテンポの良さは、さすが、といったところです。
 悲劇を経た後の結末は、完璧ではないけれどハッピーエンド。彼の願いがようやく叶ってよかったです。

★★★ Excellent!!!

富豪たちの間では「箱庭」が流行していた。
ガラスケースの中に、自然界を再現するような環境を整え、
そこに生物を閉じ込めて、人間たちは屋敷の中で愛でるのだ。

箱庭で最も高価で人気の素材は、人魚や天使、妖精だった。
箱庭職人アルフレドと、彼が惚れ込んだ妖精ティターニア。
分厚いガラスに阻まれた2人に会話はないが、心は通じ合う。

長い時を経て、愛し合う者たちが初めて結ばれる。
人間と妖精は町でも森でも共に生きていけないから。
悲しく儚い物語は、端正な文体とも相まって、非常に美しい。