尋常ならざる逸脱の武芸者、生まれついての最強種、
超常の能力を持つ者、神に祝福されし者、全てに見放された者。
いづれも天才、達人、最強を、悉く凡俗へ落とす超越者ら。
誰かが思った、。誰もが思った。
この世全てをもって、超越者らの真なる頂は。
特性、技能、体技、武芸、信仰、祝福、呪い、咎。
ありとあらゆる逸脱の力。理を外れた超常を振るう。
彼奴等が争い、戦い、たったひとりが残るなら、。
勝ったひとりが勇者であれ。
その世界でおそらく最も価値のある強者らの、おそらく最も意味のない、おそらく最後の戦いは。何もかも互いに喰い合って、それでも真なる最強ならば、最後に残った修羅をこそ、崇めよう、勇者だと。
長年物語において取り上げられてきた「勇者」という存在は、果たしてどのように定義されるのだろうか。
それは、無双の武勇を振るう者だろうか。
それは、無窮の知恵を持つ者だろうか。
それは、無敵の勇気を持つものだろうか。
この作品には無数の勇者が登場する。異世界、異種族、異能力。十六人の最強の修羅たちが、「本物の勇者」の座をかけ、「本物の魔王」に脅かされた世界の秩序を取り戻すため──あるいは各々の願いを叶えるために──尊厳と魂と、そして時には正しい死さえも投げ出して戦うことになる。
彼らのなかには当然、凄惨な最期を迎えるものも数多い。それは本当に悼ましいことだ。けれど、同時に、彼らの戦いからは勇気をもらえる。凡庸な自分にも、何かが出来るかもしれない。そのための勇気を奮い起こさせる何かが、この作品には存在する。
勇者とは、どのような存在だろう。
それは人々に勇気を与える者だ。
それこそが、彼らこそがきっと、「本物の勇者」なのだろう。
書籍版読みました。
最強な人達がウェイウェイやる特濃とんこつスープ油マシマシ的なものと思い読み始めたのですが、5、6回泣きました。
強さだけが描かれてるのではなく、その強さを得た過程や結果や因果、さらには弱者からの視点まで丁寧に描かれていて完全に関係性オタの私の息の根を的確に止めに来ていました。
レグネジィの切なる願いに涙し、キアの普通の女の子っぽさのギャップとエレアの関係性に涙し、クゼの心優しいアウトローっぷりに震え……etc
次巻が冬に出るとか…2020年ベスト書籍は異修羅で決定じゃないですかこれ…
でもあのあとがきは真面目に憤慨ものです。本編で5、6回泣いた後の読者があれを読んでどんな気持ちになるか真剣に考えてみてほしいです!
本編はとにかく最高なんだから!!!!