長年物語において取り上げられてきた「勇者」という存在は、果たしてどのように定義されるのだろうか。
それは、無双の武勇を振るう者だろうか。
それは、無窮の知恵を持つ者だろうか。
それは、無敵の勇気を持つものだろうか。
この作品には無数の勇者が登場する。異世界、異種族、異能力。十六人の最強の修羅たちが、「本物の勇者」の座をかけ、「本物の魔王」に脅かされた世界の秩序を取り戻すため──あるいは各々の願いを叶えるために──尊厳と魂と、そして時には正しい死さえも投げ出して戦うことになる。
彼らのなかには当然、凄惨な最期を迎えるものも数多い。それは本当に悼ましいことだ。けれど、同時に、彼らの戦いからは勇気をもらえる。凡庸な自分にも、何かが出来るかもしれない。そのための勇気を奮い起こさせる何かが、この作品には存在する。
勇者とは、どのような存在だろう。
それは人々に勇気を与える者だ。
それこそが、彼らこそがきっと、「本物の勇者」なのだろう。
書籍版読みました。
最強な人達がウェイウェイやる特濃とんこつスープ油マシマシ的なものと思い読み始めたのですが、5、6回泣きました。
強さだけが描かれてるのではなく、その強さを得た過程や結果や因果、さらには弱者からの視点まで丁寧に描かれていて完全に関係性オタの私の息の根を的確に止めに来ていました。
レグネジィの切なる願いに涙し、キアの普通の女の子っぽさのギャップとエレアの関係性に涙し、クゼの心優しいアウトローっぷりに震え……etc
次巻が冬に出るとか…2020年ベスト書籍は異修羅で決定じゃないですかこれ…
でもあのあとがきは真面目に憤慨ものです。本編で5、6回泣いた後の読者があれを読んでどんな気持ちになるか真剣に考えてみてほしいです!
本編はとにかく最高なんだから!!!!
人の勧めで読み始めました。
いわゆる活字離れ、といった世代に生まれたこと、また飽き症なこともあり、ビジネス本・啓発本・小説といった書籍を読むことは、少なくとも私にとっては日常ではありませんでした。
1章の冒頭ですら、(ああ、堅苦しい言葉が並んでいるな...)と、そのテーマが「SF系」でければそれ以上は読み進めなかったことでしょう。
・・・といった具合でぽつらぽつらと読み進めているうちに気が付きました。
ここ数日間、全ての隙間時間をこの小説に割いていることを。
読み始めたのはほんの数日前でした。が、あっという間に読了しました。
それほどまでに引き付けるものがあり、想像しえた先の展開をはるかに上回る結末を、私は非常に楽しみにしていました。
本作の読みどころ・・・テーマや登場する武具の数々、歴史的背景、謀策略の数々・・・挙げればきりがありませんが、特に突出していると感じた点は、キャラクターの作り込みです。
英雄はもちろん、それらを擁立する将校、他人のように思えるが根っこでは複雑に絡みあう関係諸々。
それらがまるで”現実世界で本当に実在するのではないか”、と思えてもおかしくないほどに詳細に、緻密に描かれています。
そして彼奴らが、何を考え、どう動き、その結果どうなったのかが、きちんと読み取れるような工夫がなされています。
全ての登場人物が、まるで読んでいる私ですら、無関係ではないのだろうかという没入感。これがあったからこその作品だと、私は思います。
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と、格好つけてレビューはしたものの、本作にドはまりした真の理由は「登場人物が格好いい」「二つ名が洒落ている」「武器防具が詳細に書かれていて読みごたえがある」「最強なのは誰なんだ」といった具合に、童心に根差すものです笑
言葉にしつくせない小説です。書籍も楽しみにしております。
様々な『最強』が、トーナメント形式で戦うというストーリーです。
異世界を舞台としつつ『旅』『冒険』の要素はほぼ無い、珍しいストーリーなのですが、だからこそ濃い戦闘に特化しています。
そう、戦闘は面白いのです。
仲間と冒険するファンタジー作品が多い中で、忘れがちですが。
ずば抜けて個性的な最強たちによる、試合の連続。
極めて個性的であり、そんな存在が成り立つのか、というような不思議なキャラクターも登場します。
○○なのに格闘家。
○○でありながら暗殺者。
試合編が始まると、まさしく死闘の連続です。
最強同士のぶつかり合い、予想できず一試合ごとに目が離せません。
一方が窮地に立ち、「こんな奴に一体どうしたら勝てるんだ」という状況から、まさかの展開が起こります。
......私はサイアノプ推し、かな?
いやヒロト。
非常に悩むところです。
また、試合前の駆け引きも徹底しています。
これに関しては「面白い」という見方、あるいはフェアじゃないなど、賛否はあると予想しますが。
黄都の行く末をも左右する試合、開始の前から始まっています。