私がこれまで読んできた、そのどれよりも

人の勧めで読み始めました。
いわゆる活字離れ、といった世代に生まれたこと、また飽き症なこともあり、ビジネス本・啓発本・小説といった書籍を読むことは、少なくとも私にとっては日常ではありませんでした。

1章の冒頭ですら、(ああ、堅苦しい言葉が並んでいるな...)と、そのテーマが「SF系」でければそれ以上は読み進めなかったことでしょう。

・・・といった具合でぽつらぽつらと読み進めているうちに気が付きました。
ここ数日間、全ての隙間時間をこの小説に割いていることを。

読み始めたのはほんの数日前でした。が、あっという間に読了しました。

それほどまでに引き付けるものがあり、想像しえた先の展開をはるかに上回る結末を、私は非常に楽しみにしていました。

本作の読みどころ・・・テーマや登場する武具の数々、歴史的背景、謀策略の数々・・・挙げればきりがありませんが、特に突出していると感じた点は、キャラクターの作り込みです。

英雄はもちろん、それらを擁立する将校、他人のように思えるが根っこでは複雑に絡みあう関係諸々。

それらがまるで”現実世界で本当に実在するのではないか”、と思えてもおかしくないほどに詳細に、緻密に描かれています。

そして彼奴らが、何を考え、どう動き、その結果どうなったのかが、きちんと読み取れるような工夫がなされています。

全ての登場人物が、まるで読んでいる私ですら、無関係ではないのだろうかという没入感。これがあったからこその作品だと、私は思います。

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と、格好つけてレビューはしたものの、本作にドはまりした真の理由は「登場人物が格好いい」「二つ名が洒落ている」「武器防具が詳細に書かれていて読みごたえがある」「最強なのは誰なんだ」といった具合に、童心に根差すものです笑

言葉にしつくせない小説です。書籍も楽しみにしております。

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異修羅

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