概要
吉井くんは本屋の店員さんに恋をした―――。
あの奥手で凝り固まった頭の持ち主の吉井くんが恋をしたらしい。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!不思議な視点から青年時代の虚しさを説く。
三人称ではない。決してない。
主人公といえば、主人公の立場から書かれた作品ではある。
しかし、話の大部分は吉井くん視点であるようだ。
何と言おうか……そう、主人公が吉井くんと本屋の彼女について婉曲的に語っているといったものだろうか。
こう書くと、普通ではないか、と思うであろうが、いやいや、そんなことはない。
少なくとも私は、とても新鮮でその世界へ吸い込まれていった。電子媒体からただ文を瞳に映しているだけであるはずなのに、私の目の前にはその作品の世界の中が映っているように感じられた。
2000文字ちょっとの話。
しかし、その世界は少し澄んでいて、且つ、青年時代を生きる者たちの心情を水彩絵の具の…続きを読む