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資料を纏め正面玄関へ向かうと村崎が既に車を用意し待っていた。
私は右側のドアを開き助手席に滑り込みドアを閉めると村崎が車を発進させた。
新首都高速道に入り自動運転に移行した後村崎が本部にてバックアップを担当している小笠原に回線をつなぎ今朝の捜査会議を踏まえ3人で情報共有を始めた。
「――――以上が今朝の捜査会議で得た情報だ」
私が現在持っている情報の個人的な主観を含め報告し終えると小笠原より新たな情報が伝えられた。
「容疑者モンティ=ミルワードですがPTSDの原因は第3次南北戦争においてダラス解放作戦においての行動が原因ではないかと思われます。」
「ダラス解放作戦だと、ダラスは現地政府が後退し戦闘はなかったはずだ。」
村崎が反応する
「表向きにはダラスは現地政府が撤退した事により戦闘はなかった事になっていますが実際は現地政府の主要メンバーと一部の軍人が撤退したのみで殆どの兵が残っていたそうです。」
「それだけだったら公表しない理由にならないな。」
私がそう言うと彼女は続けて話し始めた。
「問題なのはこの先です。ダラスには正規兵だけではなく一般人も多数残っていました。そこで現地に残った兵の指揮官は住民の男には拳銃を与え家族を守るために戦えと言い、女子供には手榴弾を与え北部軍に捕まったら凌辱され人間として生きる事が出来ないから捕まる前に手榴弾で道ずれに自爆するしかないと脅したそうです。」
「つまりダラスでは大規模な戦闘があったと。」
「ええ、その通りです。なおかつ統一軍はこの戦闘を迅速に終わらすためにMark77爆弾を投下したそうです。」
「Mark77爆弾…旧式の焼夷弾をダラスに落としたのか…。」
「それも戦闘中に無差別に落としたそうです。」
「確かにそれは統一国にとっては大スキャンダルだな。」
村崎がつぶやく
「確かにそこでの戦闘で何かあったとみるべきだな。」
「そうですね。」
「小笠原は引き続きその件について調べてくれ。」
「分かりました。」
そこで通信を切り、村崎と今後の行動予定を話し合う。
「もう一度被害者の共通点を洗い出す必要があるな。」
「ならUN軍の立体プロジェクタールームでデータに残っている現場の状況を再現してみるか。」
「そうだな、申請してみよう。」
車はUN軍横田基地に入りそこで話は終わった。
グランドグラビティ 荒藤秀也 @syuuya4949
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