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翌朝8時 上野南署会議室
やはり三件目なだけあって会議室の空気は張り詰めていた
「報告!」
「マルガイは竹羽亜希、26歳、都内のアパレル会社勤務で最近目立ったトラブルはなしとのことです。」
「次!」
「マルガイは21時半頃に職場を出て居酒屋チェーン店で食事をとった後23時過ぎに店を出た後から足取りがつかめていません。」
若手の刑事が矢継ぎ早に答える
「司法解剖の結果が出ました。死因は大量出血による失血死。死亡時刻は午前1時から2時のあいだ。死因とは別にドラックの反応が出ました。ドラックの効果は意識混濁及び麻痺作用が起こるとのことです。」
「国警からは何かあるか?」
「はい、容疑者と目されているモンティ = ミルワードですがアメリカで追跡中だった際に警官に発砲し重傷を負わせています。防弾ベストだけでも装備するべきと考えます。」
「よし、捜査員は防弾ベスト及び拳銃を携帯し充分注意し捜査に当たれ。今後の指示は各班の班長より命ずる。以上だ!解散」
捜査員は指示が下り次第部屋を飛び出して行く
「雷、俺たちはどうする。」
「私たちも装備を整えに行こう。」
「了解、そしたら足になりそうな車を借りてくる。」
「分かった、捜査資料を纏めてから正面玄関に向かう。」
「じゃあそこに車を回す。」と言い残し村崎は部屋を出て行き、私はこれまでの捜査資料を纏めることにした
1件目 北部アメリカ統一国モンタナ州グレートフォールズ
被害者 コンスタンス¬=フェイスフル(25) ベンチャー企業社員
被害状況 市内のアパートにてロープで拘束された状態で左腕をめった刺し
にされ失血死 ドラック反応は無し。
2件目 北部アメリカ統一国モンタナ州グレートフォールズ
被害者 リビー=モールディング(23) 大学生
被害状況 市内の公園において左腕をめった刺しにされた後失血死
ドラック反応あり
当時現地で問題になっていた激しい快楽の代償に
その後数時間体が動かなくなるドラックを服用していた。
3件目 北部アメリカ統一国ワシントン州タコマ
被害者 マティルダ=ディルク(28) ホテル従業員
被害状況 被害者が働いているホテルの一部屋にて左腕をめった刺しにされ
ショック死 ドラック反応あり
二例目と同じドラックを服用していたことが確認された。
4件目 中華人民連邦上海市
被害者 身元不明
被害状況 スラム街の裏路地にて既に腐敗が進んでいた状態の被害者を現地
当局が発見し身元不明、死因不明で捜査は凍結された。ドラック
反応はアメリカで使われていたものの模造品と思われるものを服
用していたと思われる。遺体の損壊部分が左腕が極端に進行して
いた為4例目として加える。中華連邦での一件目と推定する。
5件目 中華人民連邦上海市
被害者 自称リ=メイファン (29) 飲食店従業員
被害状況 スラム街に程近い自宅アパートにて前例と同様の犯行、
被害者の正確な身元は確認できず。
6件目 日本国東京都台東区
被害者
被害状況 ホテル街の公衆トイレにて前件と同様の犯行。
及び日本での1件目
7件目 日本国東京都台東区
被害者 竹羽亜希
被害状況 カラオケ店傍の路地にて前件同様の犯行 日本での2件目
容疑者 モンティ=ミルワード (35)
元北部アメリカ陸軍 最終階級 中尉
2029年に第三次南北戦争に従事したのちPTSDを理由に退役
その後モンタナ州グレートフォールズにて療養生活を送っていたが2年前に
1件目の事件を起こし逃走、いまだ逮捕に至っていない。北部アメリカに
て警官に対し発砲、弾丸から北部陸軍にて正式採用されているN7であるこ
とが判明、現在も所持しているものと思われる。
北部アメリカでの逃走の際一例目の被害者コンスタンス¬=フェイスフルが
所持していた車両を用い逃走
中華連邦での足取りは不明
右腕前腕部に銃創跡あり
軍在籍時にCQB/CQCを修得している為逮捕する際は注意されたし
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