閉鎖された世界で

1

野次馬を退かし規制線の前に立つ

「国警のあずまだ。」

「ご苦労様です!」

規制線をくぐる。やはり規制線の外と内では空気が違う

「国警だ。現場の状況を説明してくれ」

所轄の刑事達が睨みつけてくる

そんな事だから10年前みたいな事が起こる訳だ

本庁の一之瀬いちのせ主任を見つけたので彼に聞くことにした

「状況は?」

「ご苦労さん。マルガイは竹羽亜希たけばあき、26歳、都内のアパレル会社勤務くらいしかまだ分かってないな。」

「やはり死因は左腕からの失血死か?」

「司法解剖はこれからだがこの出血量からいって間違えないだろう。」

「これでマルガイから例の薬品の反応があれば日本では2件目か。」

「そうだな。これ以上被害者を増やしたくないものだな。」

「捜査会議は何時からだ?」

「明朝8時より上野南署の会議室で」

「了解した。本部に連絡して合流する。」

一之瀬主任と話した後現場から離れる

もう野次馬の姿は減っていた。


現場から離れ、端末を取り出し本部に連絡をいれる。

「はい、国際捜査警察機構6係」

小笠原おがさわらか、雷だ。」

「状況はどうでしたか。」

「同じ手口で三件目だ。課長に捜査継続の申請を頼む。」

「了解しました。」

本部に捜査継続の申請をした後、ホテルで爆睡しているであろう奴に電話を掛ける。

「はい村崎むらさきですが―――

「雷だ。さっさと起きて上野南署に向かえ。8時から捜査会議だ。」

「了解した。」

電話を切り歩き出す

駅前でチェーンの喫茶店を見つけたので軽く朝食をとった後に上野南署に向かおうと心で決めた。

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