気づいたときには運命だった

青春というには少し薹が立ってしまった、されど大人と言うにはまだ幼い登場人物たちの恋が書かれているお話です。
描写がとても丁寧ですから作中の曲を耳にしたことがなくとも心配ありません。充分に世界へ入っていけます。

主人公の女性は三十路に近いピアノ講師。
もう一人の主人公の男性は三十路に近い世界的ピアニスト。
大学の同期であった二人は卒業後に全く違う道を歩みながらも、同じ思い出を共有しつづけていました。
すぐに実らなかった恋だったからこそ、時間と経験による熟成を経て確信を持った愛に変わったのではないでしょうか。

二人が出した結論は決してあなたを裏切りません。
ぜひ一読ください。