寿司に対する圧倒的幸福度数への考察について

黒幕横丁

はっぴーはっぴーおしゅしぱらだいす

 すーし、すーし、ぐるぐるおすーし。

 すーし、すーし、ぐるぐるおすーし。


 そんな電子ドラッグ紛いのBGMの中で、俺の心は揺れていた。

 俺の目線の先には、イクラ軍艦総統とハンバーグパイセンがこっちに向かって流れてきていた。

 俺はどちらの皿を取ればいいのだろうか。ちなみに、どちらも食べたい気分ではある。

 幸いにも俺の前方には客は全く居ない。いわば取り放題だ。

 どっちも欲しいのなら二皿とも取ればいいじゃないかって? HAHAHA、そんな事は回転寿司道に逆らってしまうのさBaby。


 なんせ、俺の財布の中には108円(税込)しか入っていないのだからな。あ、ちなみにコレは面白いところだから笑うところだぜ、そこの青二才よ。


 さぁ、イクラかハンバーグか、俺の心を動かすのはどっちだ。

 って、あれ? 俺のイクラとハンバーグが……ない!?


「お前の捜しているのは、コレか」


 突然の声に俺は振り向くと、驚愕した。

 俺の目に映ったのは、イクラONハンバーグというなんともアレな融合体寿司を貪っている男の姿だ。

 なんて、なんてことをしてくれてやがるんだ。俺のイクラ軍艦総統とハンバーグパイセンをマリアージュしてしまうなんて!!


「お前がどちらか迷っている間に、この寿司達の幸福度数が下がってしまったものでな、合わせてみただけだ」


 幸福度数を合わせただけだと。そもそも幸福度数なんて計ってどうす……ハッ。

 俺の脳裏にある考えが掠める。


「そうだ、お前が考えている通りだ。さて、この勝負私が取り仕切らせてもらおう」


 そう来たか、いいじゃねぇか。この勝負、頂いてみせるぜ。寿司ネタのようにな。


 こうして、俺と男の長き戦いの火蓋が切って落とされたが、


 この話は決して続かない!! 断じてだ!!!

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