第3話 夜景を見に行こう

婚活サイトに登録した。もちろん男を見つけるためだ。結婚したいなんて口では言ってたけど、毎日隣にいてくれる人が欲しかっただけ。そばにいてくれる相手を探さないと窒息してしまうようだった。拓海は意外と早く私を見つけてくれた。共通点はカエルのフィギュアが好きなところ。一週間くらいメールのやり取りをして、会うことになった。ちょうどバレンタインの前日で、私はケーキを買って持って行った。拓海の車はブルガリの香水の匂いで包まれていた。初めて会ったのに嫌な感じがしなかった。一緒に夜景を見ようとなって夜景スポットの山に車で上った。夜景を見ながら手をつないだ。ああ、この人とも大丈夫だなって直感があった。そのままホテル行って抱き合った。直感どおり、気持ちよかった。

 拓海は自分のペースを乱さないタイプで連絡をくれるのは限られた曜日だった。私はもっと依存したくて毎日うずうずしていた。会える回数が少ないのも不満だった。

仕事はわからなる一方だった。それをごまかすように酒を飲んだ。その勢いで会社の上司ともセックスした。もうやけくそだった。どんどん会社に居づらくなった。このまま辞めてしまおう。無断欠勤を繰り返し、結局何の努力もせずにおさらばした。

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誰かはやく 長谷川タスク @remon1988

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