第14話

ピピピッピピピッ

…ふぅ。長かった。

「お疲れ様〜。初めてにしてはちゃんと試合になってたし流石進学校だね〜みんな頭良いんだなぁ〜」

水戸兄だって高校受験じゃ名門の慧進高に言っているのに…と思ったけれど、疲れ過ぎていてツッコむ気力も起きなかった。

「んーまあ試合の講評とかする?それともディベート全体の話?」

「「「………。」」」

「…疲れてるか。ん、じゃあとりあえず休んで、そのあと感想を聞かせてもらえるかな?」


少し休むと、話をする気力も湧いてきた。

「さてさて…。じゃあ環から話せるかー?」

「えーまた私からなの…。んっと…。

1人はすごいキツかったけど…パートの感じはなんとなく掴めた…かな。

一反でうまくできないと二反もうまくいかないんだなーって思った…。疲れた…。」

「疲れすぎだろー。まあ1人だったし仕方ないか。じゃあ次、依莉さんどう?」

「あー私ですか?んーやっぱり立論は楽しいなーって思いましたね!一反はなかなか難しいとは思いましたけど…。相手の弱点が見えてもうまく言えないっていうか…。話してる途中に黙っちゃうのをやめたいですね…。」「なるほどねー。じゃあ三笠さんはどう?」

「私は…。そうですね。楽しいな、とは思いました。これから大変そうですけど…。」

言葉が、出てこない。二人ともよくあんなに上手くまとめられたものだと思う。でも、だって、あの二人だって話したことだけではないはずだ。

「三笠さん、ディベートのスピーチ中はアドリブであんなに話せるのに普段はそういうの苦手な感じなんだー。意外意外。

みんなポジティブでいいねー。伸びそうで今から怖いな〜〜、なんてね」

また、ハハッと爽やかに笑う。本当にモテる人なのが頷ける。

「さて、じゃあこれからだけどね、大会の論題は、2月の終わりに出るんだ。だからそれまでに部内戦とかしてって言っても3人だから今日みたいな感じとか、僕呼ぶとかしてくれていいからね。で、部内戦してパートとかを決めていくのがいいんじゃないかなーと思うよ。」

「なるほどです!ありがとうございます!参考になります〜〜」

依莉な色々考えているようだ。さあ、これからどうなるのかな。

「春に戦えるの、楽しみにしてるからね、頑張って。春までに練習試合したい、とかも声かけてね。」

最後まで優しい笑顔だった水戸兄と環ちゃんと分かれ、そのあとちょっと依莉と話した。

「春までに出来るかな。」

「できるよ、きっと。」

「頑張ろうね!」

「うん。そうだね。」

そういうと、私は帰路についた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

伝えきれないこと。 Silk tree @FallRedRice

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ