時代劇のいいとこ取り

 話は時代劇なのに、舞台は現代。

 なので、難しい時代小説用語とか気にせず読める。

 話も一話完結の連作で、主人公の響くんが毎回辻斬りを退治するような、しないような話。


 舞台が京都というのも、古都の雰囲気と作品世界が合っていて、なにやら楽しい。これが江戸なら絶対面白くない。

 ただ、二つ。どうにも疑問なところがあって、☆は二つ。

 ひとつは、登場人物たちは帯刀しているのだろうか?という疑問。

 響くんが着ているのは洋服だけど、ベルトに大小差しているのでしょうか? ロードバイクにのる場面でも帯刀しているのかな? 

 そして襲われると唐突に刀が登場する感じがする、ゲームのアイテムみたいに。そこがどうにも気になる。



 そしてもうひとつ気になるのが、ラスト。

 果たして響くんの問題は解決したのでしょうか? 彼の苦悩に関する答えは出たのでしょうか? 腕を失った経緯は語られますが、それに関する結論は出ていない気がします。

 続きを書いてくれて、そこできっちり語るというのなら構わないんですが、その辺りが本作ではきっちり完結してない気がします。

 そして、メイドがどこから来たのか、とかも……。