ヒトのなんたるかについて問う、驚くべき、そして恐るべき傑作。
- ★★★ Excellent!!!
これが四つのお題から作られているなど、私にはとても信じられない。
心の底からそう思えるほどに、この作品は人間について物語っている。或いは、問いかけている。
こんなことを書けば、なにを解った気になっているのかと思われるかもしれない。それでも書かずにはいられない。
文学とは、対話だ。内的なものの表現だ。
なにを思い、なにを思わなかったかを表すこと、それを文字で記すことの一つの極点が小説というものだ。
これは、行きついている。
おそらく、いまの時代でこれ以上の問いかけはないだろう。生きるとは、人間とは、そもそもヒトとは、なにか。
この物語を読んだ時、私たちは否応がなく、考えさせられる……
一切の誇張、虚飾なく傑作!