人は選ぶが、バトル風味ラブコメの完成形の一つ

まず、この作品には焦りというものがありません。
主人公が隔絶した力を外付けで持っており、また主人公の周りにも強キャラがひしめいているからです。

バトルのある物語を読む上で、焦燥感が無いというのがマイナスかと言うとそうではなく、逆に「何が合ってもどうにでもできるだろう」という安心感を持って読めます。ラブコメという前提があるので、これが素晴らしい。ニチアサの戦隊モノ通常回のように、最後には必ず丸く収まるという安心感の上にラブコメがあるので、安心して拗らせた主人公とヒロインズを見ていられます。但し、主人公が一本筋の通った拗らせ具合なので、人を選ぶところがありますが…。

また、昨今ありがちなヒロインが無限増殖するようなハーレムモノではなく、3人と固定されている事で、作品が続くほどヒロインズの描写が増え、キャラクターに厚みが出ています。それ故、主人公とヒロインズが気に入れば、この作品は読み手にとって良い意味で思考停止で読める安心と信頼のラブコメモノと言えるでしょう。